高野七口 大峰道を歩く

2017年04月15日(土)
総歩数:26913歩 総距離:17.8km

2017年04月15日(土)

小代下~奥の院

                      晴れ時々曇り一時小雨

 大峰口は、高野山の東の入り口であることから東口、あるいは麓の土地の名から野川口とも呼ばれており、一説によると、弘法大師はここから初めて高野山に入ったとも言われている。この大峰口を通じて高野山と吉野大峰山を結ぶ高野大峰街道は、「すずかけの道」とも呼ばれ、修験者や巡礼者の往来で昭和初期まで大いに賑わっていたという。また、文久(1860年代)のころ、十津川郷士を中心とした天誅組が活動した場所でもある。

五条駅に向かって右手に奈良交通十津川方面行のバス停がある。ちなみにここの地名は五條市だが、JRの駅名は五条駅となっており、バス停は五條駅となっている。五條と五条が混在しているようだ。
五条駅五条駅バス停
 
 8時12分に出発するが、その次のバスは10時31分までない。今日も乗客は少なく、五條駅のバス停で乗車した人は私を含めて4人、昨日の花園行のバスと同じように、次々と降りて途中から私1人になった。その後1人乗車されてこられ、この方は私が下車するまで乗っておられた。
  国道168号線は山の中の道だ。バスのアナウンスで、それまでは秘境と言われていた十津川温泉は、この道ができたことで、往来が容易にできるようになったと説明されていたが、周囲の風景を見ていると納得できる。
山を見ると煙がたなびいているように花粉が飛んでいるのが見える。テレビでよく見る風景だ。今はヒノキの花粉の時期で、花粉症との付き合いが長い私にとっては、あの花粉の中を歩くのかと思うと、うんざりしてしまった。結局今日は一日中くしゃみの連続だった。
 9時13分に小代下に着く。ダム湖に架かる橋を渡ったすぐ先左手に細い道があり、ここを登っていく。
小代下1小代下2

 急坂を上っていくと十字路に出るので、直進するが、右手に小祠がある。
右手に小祠
 杉林の中の舗装された緩やかな坂を上っていくと、道が3本に分かれる所に来る。右手にカーブミラーが立っており、舗装道は左へカーブしている。ここの真ん中の道を進む。
真ん中の道
枯葉の積もった道を進んでいくと、やがて中原の集落に着く。ちょうど桜が満開できれいだ。
桜
 安楽寺が左手にある。9時55分にここを通る。
安楽寺
 ここから坂を下っていくと県道に合流する。ここで道を間違った。県道を右へ下って行ってしまったのだ。少し進んだところで地図を確認すると、進行方向の右手に川があるようになっているが、私が歩いている道は左手が深い谷になっている。ここで逆方向に歩いてることに気が付いて、元へ戻って進む。県道に合流したところから左手に坂を上っていかなければいけなかったのだ。県道は広い立派な道なのだが、ここもたまに車が通る程度で交通量は少ない。やがて野迫川村に入り、野迫川大橋を10時29分に渡る。
野迫川大橋
 更にその先で今井橋を渡って、今井の集落に入るのだが、ここで道は集落の中の細道をクネクネと曲がって進むことになる。まず今井橋を渡るとすぐに川に沿って右折して進むと、左手にお地蔵様が祀られている。
お地蔵様
 そのすぐ先から左手に階段の細道があるのでこれを進む。ここには「大峰道」と書かれた標識が立っている。
大峰道
 階段の途中、右手にコンクリートで作られた祠に石仏が安置されている。
石仏
 集落の中の細道を進んでいくが、一本道なので迷うことはない。
細道1細道2

 集落を抜けると県道に合流し、中原川に沿って進む。山の中なので川の水がきれいだ。
 右手に「自然水」と書かれた看板が立っており、その横にパイプがあって水が流れている。早速飲んでみたが、冷たくてとてもおいしかった。
自然水1自然水2

 牛蒡橋を渡った先から道は二股に分かれていて、ここに「スズカケラインの看板」が立っている。ここを右へ進むと、左手に「野川弁財天」がある。ここは「野川の弁天さん」として親しまれている財宝の神様で、弘法大師が建てたと伝えられ、本尊の大弁財天女像も弘法大師の手によるものとの言い伝えが残っているという。また、ネットで検索すると「高野山開山に先駆けて、お大師様は大峯山から水の珠を持ち出し高野山に向かいました。野川弁財天はその珠を取り返すために雲海の上を竜に乗り、飛んで追いかけましたが結局取り返すことはできなかったということです。野川弁財天から東へ1キロほど行った集落は“今に(弁天さんが)来る”から「今井」と呼ばれるようになったという言い伝えも残ります。また珠を失った弁財天様が涙したと伝えられる坂は「泣き坂」と言われています。」と説明されたHPもあった。11時18分にここを通る。
野川弁財天1野川弁財天2

 右手に「岩倉稲荷」があり、横に3本の欅が1本の木のようになって立っている。一番大きい欅は周囲5mあるという。11時43分にここを通る。
岩倉稲荷欅

 その先で上交差点に着く。ここも交差点となっているが、信号などはない。ここを左へ進む。11時51分にここを通る。
上交差点
 そのまま舗装された道を進んでいくと、右手に「高野大峯歴史街道」と刻まれた石柱が立っている。12時7分にここを通る。
 道はここから完全な山道になる。
高野大峯歴史街道1
 5分ほど歩くと、道は二股に分かれている。左へ進む道のほうがしっかりとした道になっているが、ここは右へ進むのが街道だ。ここに「大峰道」と書かれた2枚の標識がある。ほかの方のHPを見ても、この場所は間違いやすい場所となっていて、注意をしていたので、この標識はとても助かった。大掛かりな、立派な標識もいいのだが、こうしたちょっとした標識は歩くうえでとても役に立つ。
2枚の標識12枚の標識2

 すぐ先に壊れた橋がある。これもほかの方のHPに掲載されていたもので、一つの目印になる。
壊れた橋
 ここから急坂を登っていく。本格的な山道は大峰道ではここだけだ。
本格的な山道
 途中で雨が降ってきた。今日の予報では午後には突然強い雨が降る確率が高いといっていたので、何とかこの山道の間だけはひどい降りにならなければいいが、と思いながら先を急ぐ。幸いその後も大した雨にはならなかったので助かった。
 山道を抜けたところに、入り口にあったものと同じ石柱が立っていた。12時46分に山道を抜ける。
高野大峯歴史街道2
 舗装道に出た右手に「役行者像」がある。
役行者像
 街道は左へ進むため、少し戻って進むが、とりあえずここで昼食にする。コンビニで購入したおにぎりが今日の昼食だ。
 ここからは舗装された道で、すぐ先で道は二股に分かれているので「高野山」と書かれた右へ進む。
高野山
 右手に地蔵尊が祀られている。その横に「南海電鉄バス天狗木転落事故物故者五十回忌」と書かれた卒塔婆が立っている。ここは昭和34年1月1日に初詣のバスが、この場所から90mの崖を転落し、9人の方がお亡くなりになった場所という。
ご冥福を祈るのみである。
右手に地蔵尊
 13時58分に中の橋駐車場に到着する。これで高野七口すべてを歩き終えたことになる。

 本日の歩行時間   4時間45分。
 本日の歩数&距離  26913歩、17.8km。

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