2009年02月08日(日)
小仏峠の名犬(迷犬?)ラッキー ~2~
小仏峠から下ること約30分。
多少の不整地に苦戦しつつも、ようやく舗装された道路に出ました。
≪→美女谷温泉 500m≫
ワン 「こっちですね。」
五式 「そうですね。行きましょう…。あら?ラッキーが居ませんね。」
ワン 「ほんとだ。峠の道案内を終えて、帰っていったんですかね。」
五式 「お礼ぐらい言いたかったですが…、先に進みましょう!」
-午前11:00-
ラッキーと別れた私たちは、しばらく進み、やがて一里塚跡にさしかかりました。
五式 「ここの一里塚は標柱しか残っていませんね。」
ワン 「線路の脇にぽつんとあってなんだか寂しいですね…。」
五式 「ほんとですね。昔はこんな線路なんて…あ!」
ワン 「どうしました?」
五式 「線路の上!」
ワン&五式 「ラッキー!」
どこをどう来たのか、後ろから付いて来なかったはずのラッキーが、線路の上に居ました。このままでは危ない。
ワン 「ラッキー!おいで!!」
するとラッキーが、嬉しそうにこっちに向かってくる。
直後電車が目の前を通過。
(危なかった…。)
-午前11:30ごろ -
道は国道20号線に合流。車の通りが多い場所に出てきてしまいました。ラッキーは、ちょこちょこマーキングしながら、後ろを付いてきます。
ワン 「ほら!車!危ないよ!」
ラッキー 「ハァ!ハァ!(喜)」
ワン 「分かってるのかなぁ…。」
五式 「…とうとうこんなところまでついてきちゃいましたね。」
ワン 「仕方ない。警察に保護してもらいましょう。」
-正午前-
≪小原宿本陣≫
神奈川県下に現存する唯一の本陣である小原宿の本陣。
もっとゆっくり見たかったところなのですが…。
ワンは、ラッキーのお守りで外で待機(泣)
五式 「すみませーん。」
施設の方 「はい。」
五式 「この辺りに交番か警察署ってありますか?」
施設の方 「はぁ、1キロくらい先に交番がありますが。…何かあったんですか?」
五式 「いえ、犬がですね…、小仏峠の向こうからずっとついてくるんですよ。」
五式 「飼い犬のようなんですがね、保護してもらおうと思いまして…。」
五式 「もしかしたらこの辺りまで頻繁に来てるのかもしれないんですが。」
施設の方 「犬ですか。いやー、聞いたこともありませんね。」
五式 「そうですか…。ありがとうございました。」
===
ワン 「どうでした?」
五式 「交番はこの先だそうです。この辺りでは目撃されてないようです。」
ワン 「道行く人も目を留めないようですし、彼女にとっても未知の領域なんでしょうね…。」
- 正午ごろ -
ワン 「あ、あれですね。交番。」
五式 「人が居ないですね。」
全面ガラス戸で、中の様子が完全に伺えるつくりになっており、奥に通じる扉がひとつありました。
ワン 「きっと奥の扉の向こうに居るんですよ。」
ガラガラガラ
ワン 「すみませーん。」
…(居ないのかな?)
ワン 「すみませーん。」
警察官 「…はいはーい。」
(奥から出てきた。)
ワン 「あ、すみません。」
警察官 「何でしょう。」
ワン 「私の足元で目をキラキラさせているこの子を保護していただきたいんですけど。」
~~~~~~~~
詳細を聞かれたり、調書を書いたりすること30分。
警察官 「お疲れ様でした。この犬は、責任を持って預からせていただきます。」
峠をも越えた愛の逃避行もここで終わり…。
ついにお別れのときが来ました。
ワン 「くれぐれもよろしくお願いします。」
五式 「よろしくお願いします。」
警察官 「ところでこの犬、オスですか?メスですか?」
ワン 「おそらくメスだと思います。」
警察官 「どれ…。」
…ガサゴソ
警察官 「こりゃオスだわ。立派なモンがついとる。」
ワン&五式 「…オスかい!」
~~~~~~~~~
こうして、ラッキーとの冒険は終わりました。果たして無事に飼い主の下へ帰ったのでしょうか。4時間以上もついてきた彼女…じゃなくて彼のおかげで、ネコ派だった私も、少しイヌ派に目覚め始めました。これからは、知らない人について行くんじゃないぞ。あと、イノシシのワナにもかからないように…。
(完)
多少の不整地に苦戦しつつも、ようやく舗装された道路に出ました。
≪→美女谷温泉 500m≫
ワン 「こっちですね。」
五式 「そうですね。行きましょう…。あら?ラッキーが居ませんね。」
ワン 「ほんとだ。峠の道案内を終えて、帰っていったんですかね。」
五式 「お礼ぐらい言いたかったですが…、先に進みましょう!」
-午前11:00-

五式 「ここの一里塚は標柱しか残っていませんね。」
ワン 「線路の脇にぽつんとあってなんだか寂しいですね…。」
五式 「ほんとですね。昔はこんな線路なんて…あ!」
ワン 「どうしました?」
五式 「線路の上!」
ワン&五式 「ラッキー!」
どこをどう来たのか、後ろから付いて来なかったはずのラッキーが、線路の上に居ました。このままでは危ない。
ワン 「ラッキー!おいで!!」
するとラッキーが、嬉しそうにこっちに向かってくる。
直後電車が目の前を通過。
(危なかった…。)
-午前11:30ごろ -

ワン 「ほら!車!危ないよ!」
ラッキー 「ハァ!ハァ!(喜)」
ワン 「分かってるのかなぁ…。」
五式 「…とうとうこんなところまでついてきちゃいましたね。」
ワン 「仕方ない。警察に保護してもらいましょう。」
-正午前-

神奈川県下に現存する唯一の本陣である小原宿の本陣。
もっとゆっくり見たかったところなのですが…。
ワンは、ラッキーのお守りで外で待機(泣)
五式 「すみませーん。」
施設の方 「はい。」
五式 「この辺りに交番か警察署ってありますか?」
施設の方 「はぁ、1キロくらい先に交番がありますが。…何かあったんですか?」
五式 「いえ、犬がですね…、小仏峠の向こうからずっとついてくるんですよ。」
五式 「飼い犬のようなんですがね、保護してもらおうと思いまして…。」
五式 「もしかしたらこの辺りまで頻繁に来てるのかもしれないんですが。」
施設の方 「犬ですか。いやー、聞いたこともありませんね。」
五式 「そうですか…。ありがとうございました。」
===
ワン 「どうでした?」
五式 「交番はこの先だそうです。この辺りでは目撃されてないようです。」
ワン 「道行く人も目を留めないようですし、彼女にとっても未知の領域なんでしょうね…。」
- 正午ごろ -
ワン 「あ、あれですね。交番。」
五式 「人が居ないですね。」
全面ガラス戸で、中の様子が完全に伺えるつくりになっており、奥に通じる扉がひとつありました。
ワン 「きっと奥の扉の向こうに居るんですよ。」
ガラガラガラ
ワン 「すみませーん。」
…(居ないのかな?)
ワン 「すみませーん。」
警察官 「…はいはーい。」
(奥から出てきた。)
ワン 「あ、すみません。」
警察官 「何でしょう。」
ワン 「私の足元で目をキラキラさせているこの子を保護していただきたいんですけど。」
~~~~~~~~
詳細を聞かれたり、調書を書いたりすること30分。
警察官 「お疲れ様でした。この犬は、責任を持って預からせていただきます。」
峠をも越えた愛の逃避行もここで終わり…。
ついにお別れのときが来ました。
ワン 「くれぐれもよろしくお願いします。」
五式 「よろしくお願いします。」
警察官 「ところでこの犬、オスですか?メスですか?」
ワン 「おそらくメスだと思います。」
警察官 「どれ…。」
…ガサゴソ
警察官 「こりゃオスだわ。立派なモンがついとる。」
ワン&五式 「…オスかい!」
~~~~~~~~~
こうして、ラッキーとの冒険は終わりました。果たして無事に飼い主の下へ帰ったのでしょうか。4時間以上もついてきた彼女…じゃなくて彼のおかげで、ネコ派だった私も、少しイヌ派に目覚め始めました。これからは、知らない人について行くんじゃないぞ。あと、イノシシのワナにもかからないように…。
(完)
旅の地図
記録
-
2009年02月05日(木)
-
2009年02月08日(日)
-
2012年05月15日(火)
プロフィール

輪人
わん