番外編

2008年05月17日(土) ~2008年07月01日(火)

2008年05月18日(日)

2008スポニチ佐渡ロングライド210(2/2)

~当日~

- AM 3:30 -

興奮のせいか、湯当たりのせいか、いずれにせよあまり眠れなかったのですが、疲労感はあまりありませんでした。インナーをサイクル用(お尻のところにパットが入っているパンツとメッシュのシャツ)に手早く着替えて、部屋を出ました。

ホテルのロビーで「朝食を用意してますので、お持ちになってください。」と、袋を手渡されたので中を見てみると、特大おにぎり2コと、バナナ2本に牛乳が入ってました。

ありがたいと思いつつ、普段朝食を食べない私には少し重かったので、おにぎり1コだけいただいて、後はかばんにしまい込んでホテルを出ました。
前日は真っ暗で気づかなかったのですが、このホテルは岬に立っており、海に囲まれた美しいロケーションでした。ゆっくりしたい思いもありましたが、あまり時間的余裕はありません。

- AM 4:30 -

DSC02280ホテルを出てシャトルバスに乗り会場へ。会場に向かう途中、バスから海の上に浮かぶ朝日が見えました。
…真っ赤に燃えていました。(これほど赤い太陽を見たのはいつ以来だろう?)と、思わず自問自答してしまいました。

- AM 5:30 -

DSC01759大会会場に到着。既に会場には、すごい数の自転車と自転車乗りたちが集結していました。これほどに集結した姿をかつて見たことが無かったので、それだけで感動してしまいました。
到着すると、まずは自転車があるという体育館に行き、愛車と再会を果たしました。軽く乗ってみた感じでは、特に問題は無し。後はスタートの時を待つのみとなりました。

…ここでコースの説明。
今回の大会で用意されたコースは4種類。
まず、最も参加者が多いAコース。これは、佐渡島をぐるっと一周する全長210キロの目玉コース。もちろん、数々の名所や難所が待っています。次にBコース。これは、佐渡島を半周してから、島の中央を突っ切って戻ってくるコースで、全長は130キロ。Cコース。島を半周してそこをゴール地点とするコースで、全長は100キロ。そしてDコース。別名グルメライドと名付けられたこのコースは、20キロ地点まで行き、わかめそばを食べて金山を巡った後、折り返して戻ってくる、全長40キロのコース。

私たちは当然Aコース…ではなく、初心者Dコース。
スタートはA⇒B⇒C⇒Dの順だったため、最後の出発となりました。

- AM 6:30 -

IMG_2291いよいよスタート直前というところで、Kさんが話しかけてきました。

K 「金山…どうしようか。」
わん 「せっかくだから行きましょうよ。」
K 「そうだね~。」

- AM 6:40 付近 -

いよいよスタートしました。最初はKさんと併走していた私でしたが、
「前の集団抜きましょうか?」の一言を残してスピードアップ。
交通規制のされた広い道路を、海を横目に疾走する気持ちよさに任せて、
緑のゼッケンDコースのライダーたちを抜いて行きました。

- AM 7:00 付近 -

IMG_2292一息ついて振り返った時、Kさんの姿はありませんでした。(まぁ、折り返し地点の金山で合流すればいいか。)と思い、そのまま気持ちよく走りました。
緑のゼッケンをあまり見かけなくなった辺りで、青のゼッケンCコースのライダーをちらほら見かけるようになりました。Cコースは100キロ。当然ペース配分も考えて走っています。しかしこっちは40キロ。ペースなんて関係ありません。やはり気持ちよく抜いていきました。

しかし往路の終盤付近に来て、ライバル(勝手に任命)が現れました。
下りの性能はこちらが一枚上手でしたが、上りの性能ではあちらが上手。
…要するに上りで抜かれて下りで抜き返すということを何度か繰り返し、ようやく離すことに成功しました。

- AM 7:20 付近 -

DSC01775黄色のゼッケンBコースの人々も見かけるようになって少し行った所で、ついに折り返し地点、相川ASに着きました。ここでは、「わかめそば」と「金山巡り」が待っています。

前のコースのライダーが行列を作って「わかめそば」を待っていたため、(金山に先に行こう。)と思い、スタッフの方に声をかけました。

わん 「すみません。金山に行きたいんですが。」
スタッフ 「金山はですね…、後一時間後にならないとバスが出ません。」
わん 「一時間ですか!?」
スタッフ 「はい…。先に来た2名の方は、折り返して戻られました。」

(2名?と言うことは3位じゃないか!)
注:レースではないため順位はありません。

(Kさんを待って金山を巡るか、メダルを手に入れるか…。)
注:メダルも出ません。

(…メダルだ!)
注:出ないってば。

ということで、折り返しに入りました。もうこうなったら、全く『グルメライド』ではありません。必死になってペダルをこぎ続けました。

途中、Dコースの、それも金山あきらめ組にだけに許された特権を見つけました。同じコースのライダーとすれ違うことができるのです。会釈をしたり手を振ったり、相手が上り坂の時は声を掛けて励ましたり、逆の時は励まされたり…、そんなことで元気をもらいつつ復路を行きました。

- AM 7:40 付近 -

DSC01781ついにKさんとすれ違いました。私は手を振って通り過ぎましたが、Kさんは(あれ?金山は?)といった顔をしていました。…まぁ、当然ですね。

折り返しはDコースのみのため、もう他のコースのライダーは居ません。折り返し地点から離れれば離れるほど、ライダーの数は徐々に少なくなっていきます。そんな中、上り坂の中腹辺りで休んでいるライダーが居ました。ゼッケンは緑。自転車の向きからして、おそらく私の前を行っていた人でしょう。必死の形相で坂を上る私に、「がんばってください。」と声を掛けてくれました。何だかそれがとても嬉しかったです。


- AM 8:15 -

同僚の声も振り切り、途中の上り坂で足を着く誘惑にも負けずにゴール。
自転車を降りた瞬間に、フラついてしまいました。
先に着いていたのはやはり1名、何だか無性に悔しかったで尋ねたところ、「ゴールしたのは10分くらい前ですかね。」とのこと。うーむ。

その後、坂の中腹で見かけた方と、デッドヒートを繰り広げたと勝手に思っているライバルがゴール。4人でしばし談笑。同じコースを走ってきただけに、初対面にも関わらず、何だかほのぼの話ができました。

その後、また一人になった私は自転車を置いて海辺の桟橋へ。一人50代後半~60代前半であろうおじさんが居たので話しかけることに。

IMG_2298わん 「こんにちは。失礼ですが、こちらの方ですか?」
おじさん 「ああ、そうだよ。君は、自転車のイベントで来たのかい?」
わん 「はい、埼玉から来ました。」
おじさん 「埼玉か、私も昔、7年間くらい埼玉の新座って言うところに住んでたことがあるよ。」
わん 「新座ですか!近いですね。今は佐渡に住んでらっしゃるんですね。」
おじさん 「息子が戻ってきてほしいって言うんでね、戻ってきたんだよ。」
わん 「…失礼ですがおいくつですか?」
おじさん 「もう70を越えたよ。」
わん 「えっ!てっきり60くらいかと思いましたよ。」

それから、最近の自転車はすごいだとか、金山が1年前にリニュールされたとか、最近なぜか藻が多いだとか、色々と話しました。

~◇~◇~◇~◇~◇~◇~◇~◇~◇~

おじさん 「…まあ、佐渡をゆっくり楽しんで行ってよ。」
わん 「はい、そうします。」

- AM 9:00 -

Kさんがゴール。

わん 「お疲れ様でした。」
K 「わんちゃん金山は?」
わん 「いや、実は…」
~説明~
K 「そうか、走りスイッチが入ったんだね。」
わん 「そういうことになりますかね…。」
K 「まぁもともと、わんちゃんが行きたいって言ってたからいいけどね。」

~◇~◇~◇~◇~◇~◇~◇~◇~◇~

と、そんな会話をしつつ、出店が出ている一角に行きました。私同様、朝からおにぎり1コしか食べていないKさんが「たこ焼きが食べたい」と言い出したからです。
しかし、グルメライドなはずの私たちが、早くゴールしすぎたせいか、まだ準備中。
「そうだ、ホテルでもらったおにぎりとバナナがあるじゃないですか。」ということで、持ってきた朝食を木陰でいただくことに。

~◇~◇~◇~◇~◇~◇~◇~◇~◇~

しばらく食べていると、ペンとノートを持った女性が私たちに近づいてきました。
…厳密には私たちでは無く、Kさんに近づいてきた、という方が適切でしょうか。


女性 「あのー、『新潟日報』のものなんですけど…。」
K 「新聞記者さんですか?」
記者 「そうです。参加された方ですよね?」
K 「はい、そうです。」
記者 「感想など、いくつかお伺いしたいのですが。」
K 「構いませんよ。」

~◇~◇~◇~◇~◇~◇~◇~◇~◇~

記者「ありがとうございました。記事として掲載させていただくかもしれませんのでよろしくお願いします。」
K 「分かりました。」

~◇~◇~◇~◇~◇~◇~◇~◇~◇~

取材を受けて嬉しそうなKさんに少し嫉妬心を抱きつつも、
取材慣れしているのか、いいコメントを言ってるなぁと感心しました。
(ちなみにKさんのコメントは、新潟日報のHPで掲載されました。)

その後、自転車を宅急便受付窓口に預けて身ひとつになった私たちは、
徐々に戻ってきたBコースのゴールを見守ることに。
ゴール間際に「おつかれさま~!」「おかえり~!」等と声を掛けると、満面の笑み(サングラス越しのため半分推測)で手を振ったり、ガッツポーズで返礼したり。皆、例外なくいい顔をしていました。どれだけの時間居たのか覚えていませんが、Aコースのライダーもゴールを始めました。こちらは、より一層の達成感を感じている顔でゴールしていました。210キロ…今の私には想像もつかない距離ですが、いつか完走することができるのでしょうか。

- PM 14:50 -

…時はあっという間に過ぎ行き、シャトルバスが港へ向かう時間に。
Aコース、Bコースでまだがんばっている人たちに後ろ髪を引かれつつ、私たちはバスに乗り込みました。

そしてそのままフェリーと新幹線を乗り継ぎ、帰宅の途についたのでした。

~◇~◇~◇~◇~◇~◇~◇~◇~◇~

こうして初参加のサイクルイベント、
『2008スポニチ佐渡ロングライド210』は幕を閉じました。

今回は、ろくに練習もせずに走りましたが、次回はきちんと練習して上のクラスに挑戦できたらと思っています。

旅の地図

記録

プロフィール

わん
輪人
わん