熊野古道・中辺路を歩く

2011年02月12日(土) ~2011年03月19日(土)
総歩数:163714歩 総距離:128.8km

2011年02月12日(土)

熊野那智大社~大門坂~市野々王子~補陀洛山寺

              曇(那智大社では雪)

(**3月19日に紀伊田辺から熊野本宮大社経由熊野那智大社まで歩き終えました。本来の道筋から行くと、その後ろにこの記述が来ると分かりやすいのですが、HPの掲載が日付順になるため、先に歩いた2月12日の那智大社~那智振分石と2月13日の振分石~熊野速玉大社までの記述が先に表示されています。ご了承ください。**)

 大辺路を歩き終えて、まだ時間があったので中辺路の最終コースである熊野那智大社から熊野速玉神社まで歩くことにした。速玉大社から那智大社へ向かうか、那智大社から速玉大社へ向かう道をとるか迷ったが、中辺路は紀伊田辺から熊野本宮大社へ向かうので、その流れを継続することで、那智大社から速玉大社へ向かうことにする。
 那智駅からバスで熊野那智大社へ向かい、那智の大滝前でバスを下りて、まず那智の大滝を見物することにする。ここは学生時代にきたことがある場所だ。バスを降りると雪が降っていて寒いが、いかにも霊場という雰囲気が漂っている中を滝へと向かう。那智山中には、いくつかの渓流があり、その渓流には60余に達する多くの滝がある。「那智滝」とは、本来は、那智山の多くの滝のうち、瀧篭修行の行場として扱われた48の滝の総称であったというが、現在では一の滝を指している。那智山一帯は、滝に対する自然信仰の聖地であり、一の滝は現在でも飛瀧神社の御神体であって、飛瀧神社の境内に設けられた滝見台からその姿を見ることが出来る。今年は水量が少ないといっていたが、それでも133mという単独の滝では落差国内一の滝は見応えがある。次に山を上って熊野那智大社へ向かい、そこから再び滝を眺める。三重塔とのコントラストがとてもきれいだ。
那智滝那智大社滝


 熊野那智大社は熊野三山の中でも熊野本宮大社・熊野速玉大社の二社とは異なり、山中の那智滝を神聖視する原始信仰に始まるため、社殿が創建されたのは他の二社よりも後という。丁度結婚式が行われていたが、周囲の風景に溶け込んでいて、なかなかいい。
那智大社結婚式

 青岸渡寺が横にあるが、ここは明治時代に神仏習合が廃されたとき、熊野本宮大社と熊野速玉大社では仏堂は全て廃されたが、熊野那智大社では如意輪堂が破却を免れ、のちに信者の手で青岸渡寺として復興したという。
青岸渡寺
 14時15分、この青岸渡寺の横の階段から下る。ここが熊野古道なのだ。
熊野古道
 みやげ物店が立ち並ぶ階段を下っていくと、「大門坂」の入口がある。「大門坂」は石の階段で出来ており、周囲は杉の巨木が林立している。ここはかつて坂の入り口に大門があり、通行税を徴収していたことが名称の由来とされるという。
大門坂
 石段の途中に「多富気王子跡」がある。ここは中辺路にある最後の王子社で樹叢や神仏に「手向け」をした場所で、それがいつしか王子と呼ばれるようになったと思われているそうだ。ここは江戸時代には社殿があったそうだが、現在では熊野那智大社の境内に移されており、跡地だけになっている。
多富気王子跡
 坂を下った出口、上る場合は坂の入口になる場所に樹齢800年といわれる「夫婦杉」が立っている。
大門坂入口
 振ケ瀬川に架かる振ケ瀬橋を渡って、一旦42号線に合流する。その先で案内板に従って42号線から左へ分岐して進み、那智川に架かる二ノ瀬橋を渡る。昔はここで参拝のための水埃離を行ったという。左手に「お杉社」があり、ここの境内には天照大神がお姿を現されたという「影向石」がある。
影向石
 その先左手に王子神社があるが、これが「市野々王子跡」である。
市野々王子跡
 「荷坂の五地蔵」が左手にある。これは一の谷の合戦で亡くなった平敦盛の供養をするために作られたといわれており、五地蔵のほかに数多くの五輪塔が置かれている。
荷坂の五地蔵
 すぐ先に「尼将軍参道碑入口」の石碑が立っており、そこから左折するとふだらく霊園があり、その先、荷坂峠を上って行くと「尼将軍供養塔」がある。これは建保6年(1218)に建立されたものという。尼将軍とは源頼朝の正室北条政子のことで、頼朝夫妻は熊野信仰が篤く、那智山の社寺の建立もしているという。
尼将軍供養塔
 山を下っていくと川に突き当たるので、これを右折して進むと「曼荼羅のみち」と刻まれた石柱と案内板が立っている。
曼荼羅のみち
 右手に五輪塔と二体の地蔵尊がある。
五輪塔と二体の地蔵尊
 その先で道は二股に分かれているので、右斜めの道へ進み、那智勝浦新宮道路の高架下で43号線に合流、更にその先で再び左へ分岐するが、その分岐点に「地蔵尊」を安置した小祠がある。道標地蔵のようだったが、何と刻まれているのか読むことが出来なかった。
道標地蔵
 その先で43号線は二股に分かれているので、これを左へ進むと、「振分石」に到着する。

 16時36分 振分石に着く。

 本日の歩行時間   2時間21分。
 本日の歩数&距離 10168歩、6.8km。

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