日向街道〈豊後道)を歩く

2009年10月29日(木) ~2012年12月26日(水)
総歩数:340834歩 総距離:211.5km

2009年11月07日(土)

日向長井~延岡~土々呂

                                    晴れ

 8時9分に日向長井駅について歩き始める。今日は暦の上では立冬だが、雲ひとつない快晴で、朝から暖かい。
 駅から昨日歩いた旧道に合流して進んでいくと、右手に「猿田彦」が祀ってある。お参りをされる方がおられるのだろう、榊が供えられている。
猿田彦 
 JRのガード下を通って10号線に合流して歩く。すぐ横を北川が流れているが、水がきれい、清流という言葉がピッタリくる流れだ。道路沿いに民宿があり、その横に板碑が集められている。
民宿板碑 
 その先で道を間違えた。このあたりのどこかから右へ入る道があるはずと思いながら進んでいくと、ホテルがあり、その前を地図を見ながら通っていると、オジサンが話しかけてきた。旧道を記した地図を見せると、よく分からないが、すぐ先に「西郷記念館」があるので、そこの人だったら分かるかもしれないといって、案内していただいた。
 「西郷記念館」の説明によると明治10年の西南戦争は宮崎県の大半が戦場と化した。8月15日の和田越えの激戦では官軍5万人に対して西郷軍は僅か3500人。戦いに敗れた西郷軍は北川町俵野に退き、児玉熊四郎宅に宿陣し、17日には可愛嶽突破を敢行して、鹿児島までの敗走の途についたと説明されており、旧児玉宅だった家を現在は西郷記念館としているということだ。ここの館長さんに地図を見せながら場所を確認すると、先ほど歩いてきたところに、旧道の入口があったと教えていただいた。そしてここまで案内をしていただいた方が、そこまで連れて行ってあげようといってわざわざ車を出して乗せてくれた。西郷記念館
 旧道入口は先ほど歩いた10号線が左へカーブするところ、コンクリートで固められた崖の最初の部分に、これもコンクリートで舗装された坂道だった。これは教えていただかなければわからない道だ。
旧道入口 
 ここから坂を上るとすぐに土道になる。
 坂を上りきった所に「日向街道往還道標」の標識が立っている。
日向街道往還道標 
 その横に「俵野庚申塔」がある。いくつもの庚申塔が立っており、ここに集められた感じだ。
俵野庚申塔 
 更にその横に「熊本竜口隊 隊長中津大四郎自刃の地」という標識が立っており、その横に石塔が立っている。
熊本竜口隊 
 「資料館→」の標識にしたがって坂を下っていくと家があり、そこで二股に分かれているので、これを左へ進む。狭い家と家の間の道を進んでいき、車道に合流するのでこれを左へ進む。資料館→」 
 JRの線路があり、その横に寛保3年(1743)と刻まれた石塔が立っている。
寛保3年 
 その先の線路は踏切がないが、このあたりの人は線路を横断している形跡があり、私もそれにしたがって線路を横断し、10号線のガード下を通って直進すると的野大橋がある。
 大きな橋でかなりの長さがあり、これを渡る。周囲は山に囲まれており、気持ちがいい。
的野大橋 
 ところが渡りきったところに工事中、全面通行止めの看板が出ており、ガードマンが立っている。「歩きなのですが、通れませんか」と聞くと、だめだというので、しかたなく橋を戻ってくると、橋の袂のところに先ほど案内をしていただいた方がおられた。「どうしたの?」と聞かれるので、旧道は工事中で歩くことができないので10号線に沿って歩くつもりだというと、それじゃ、次の差木野橋のところまで連れて行ってあげようといって車に乗せてくれた。
 車で移動しているとき、少し寄り道になるが、和田越決戦の碑が立っているところがあるので、そこに案内をしてあげようといって、その場所に連れて行ってくれた。10号線を離れ、旧国道をかなり走ったところにそれはあったが、車に乗っているので、自分がどこをどう移動したのかよく分からなかった。
 西南戦争の和田越の戦いは大変な激戦地で、この戦いで薩摩軍は敗れ、敗走するのだが、この地は西郷隆盛が始めて戦場に立ち、陣頭指揮をした場所という説明がなされていた。
和田越の戦いは 
 差木野橋を渡ったところで車を降りて歩き始める。その方が自分はこの先まで行くので、なんならもう少し先まで乗せていってあげようかと言っていただいたが、歩くことがテーマなので、お気持ちだけありがたく頂くことにする。昨日といい、今日といい、思いがけなく地元の方に良くしていただいて嬉しかった。
 北川沿いの道を進んでいくが、ウォーキングをしている人がかなりおられる。ここは「川島・鹿小路清流ロード」と名前がついているようで、車が少なく気持ちのいい道だ。
川島・鹿小路 
 二人連れのオバサンが歩かれており、同じ方向に歩いているので、話をしながら歩く。街道を歩いているというと、「自分も一緒に歩きたいわぁ」。この方から柿を頂いた。
 左手入ったところに「祐国寺」があり、ここでお二人と分かれ、お寺に行ってみる。ここは文明17年(1485)児湯郡都於郡城〈西都市)主の伊東氏12代伊東祐国が戦死した後に創建したとみられ、天正元年(1573)機道和尚が開山法要されたという古い歴史を持ったお寺だ。以前は恋島にあったが、昭和50年に現在地に移転したという。
祐国寺 
 境内には延岡有馬藩初代の有馬直純の五重塔墓の一部が残っている。
有馬直純 
 旧道に戻るとすぐ先で左へ下る道があり、これを進んでいくと、左手に川島小学校がある。
 その先の十字路を右折、更に388号線に合流して右へ進み、川島橋を渡る。
 橋を渡ってすぐの信号で左折、その先にある無鹿町の信号を左折して進む。ここは一直線の道だ。
 左に大武簡易郵便局が見えるところから右折して進むが、左手に石仏が二体置かれていた。
石仏が二 
 東栗野名の信号で右折して進むと右手に「栗野名神社」がある。文化4年(1807)と刻まれた常夜燈が立っていた。木立に囲まれた境内はヒンヤリとして気持ちがいい。今日は立冬というのに、歩いていると暑い!
栗野名神社 
 その先で10号線に合流し、左折して祝子大橋を渡る。
 10号線を進み、桜園町の信号の先、コンビニの手前で右折、左手に公園がある先の突き当たりを左折、そのすぐ先を右折、更に突き当たりを右へいくとJRの三軒家踏切があるので、これを渡って進む。
 中川原町の信号で16号線に合流するので、左折して16号線に沿って進むと左手に延岡駅がある。
 ここでたい焼きを売っている店があったので、これを二つ買って歩きながら食べる。今日の朝食は大好きなバイキング。いつものようにお腹一杯食べたので、まだお腹はすいていないのだが、この先、どこに食事ができる店があるか分からなかったので、とりあえずなんでもいいのでお腹に入れておく。結局、今日の昼食はこのたい焼き二枚だけだった。少食なのです。
 幸町2丁目の信号で右折、次の角で左折、神話街道を横断、次の角を右折、16号線に合流して左折して16号線を進み、五ヶ瀬川に架かる板田橋を渡る。
 中央通2丁目のバス停の先で右折、更に延岡郵便局の先の三叉路を左折、右に専念寺があり、その先の突き当たりを右折して大瀬川に架かる大瀬橋を渡り、二つ目の信号を右折、更に二つ目の十字路を左折、その先で一つ先の角まで行ってしまったので、大瀬町児童公園の周囲を回って旧道に合流して進み、その先で16号線に合流する。このあたりは城下町特有の枡形なのだろうか、曲がり角が多い。
 そのまま16号線を進んでいくと、左手に南延岡駅がある。時計を見ると12時54分だ。今日は土々呂駅まで行こうと思っているのだが、南延岡駅を過ぎると、途端にJRの本数が少なくなるので、時間に注意をしながら歩く。
 右手に「下平原水神社」があり、その参道の前に石仏が並んで置かれていた。
下平原水神社 
 その先の二股に分かれているところで右へ進み、16号線と分かれる。
 沖田川に架かる笹目橋を渡り、その先で石田川に架かる第二石田橋を渡って進む。このあたりは川が多い。
 土々呂バイバスの高架下を通り、井替川に架かる井替橋を渡る。
 突き当たりを右折、すぐ先を左折、Aコープの建物の先を右折、更に一ケ岡の信号で左折、すぐ先で右折して進む。
 右折、左折を繰り返すが、昨日の山の中での緊張感はなく、分かりやすい道が続く。特に見るものもなく、なんとなく弛緩した感じで歩を進める。
 その先、二股に分かれているところで左へ進み、御番所踏切で10号線に合流する。御番所という名前がついているところを見ると、このあたりに番所があったのかな?と思ったが、確かめられるものはなかった。
 左手に海が見えてくる。土々呂漁港だ。塩の香が漂ってくる。
 線路の向こう側に「霧島神社」がある。文明17年(1485)に大隅国(霧島山麓地域)霧島六所権現の三所〈霧島神宮先の神社)より伊形城主黒木對馬守が分霊を勧請して霧島三所大明神と称し、土々呂村の産土神として祀るようになったと説明されている。
霧島神社 
 土々呂町の信号を右折して中村踏切でJRを渡って226号線に合流。その先の土々呂駅で今日は終わることにする。
 14時30分、土々呂駅に到着。電車は14時57分だ。その次になると16時17分までないので、予定通りに歩くことができてよかった。
 今回は一泊二日で延岡駅まで歩く予定にしていた。一応念のために土々呂までの地図を持ってきていたのだが、こんなことならもう少し先まで地図を持ってきておけばよかったと思うものの、どうにもならないので、ここで引き返すことにする。
今日も前日と同様、地図データが失われているため
自分で作成をしたが、やはり途中で車に乗せていただいた場所が直線で結ばれています。ご了承ください。

 本日の歩行時間   6時間21分
 本日の歩数&距離 35773歩、21.1km。 

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