日向街道〈豊後道)を歩く

2009年10月29日(木) ~2012年12月26日(水)
総歩数:340834歩 総距離:211.5km

2009年11月18日(水)

土々呂~日向市~南日向

                                    晴れ

 日豊線に乗って大分から先へ行くのは随分久しぶりだし、めったに通ったことがないルートだ。
今回改めて車窓から外を眺めていると、佐伯から先、延岡へ至るまでの間はすごい山の中だ。途中いくつか駅があり、その駅の周辺に十数軒の集落があるが、それ以外は全くの山の中。人家はもちろん、人影さえ見当たらない。中山道を歩いた時、「木曽路はすべて山の中である」という言葉を実感したものだが、この佐伯~延岡間もそれに優るとも劣らない山の中だ。
途中、宗太郎という駅があった。小野駅から長井駅へ至る道の一つに赤松峠から宗太郎峠を越える道があったそうだが、この宗太郎駅もそこからきた名前なのだろう。梓峠を越えることに失敗したが、宗太郎峠も生易しい峠ではないようだ。いずれにしても大分〈豊後)、宮崎(日向)間の陸路は大変な難路であったことは間違いなく、主たる往来は海路であったことがうなずける。
 11時38分に土々呂駅に着く。次第にアクセスに時間がかかるようになってきた。
 朝、家を出るときはまだ寒かったが、今日は暖かいので、歩き始めるとすぐに服を脱いで軽装になる。
 226号線を暫く歩いていき、丸バエ川に架かる丸バエ橋を渡ってすぐに左折、川沿いに進み、その先でJRの線路に沿って進む。
 右手に石仏と庚申塔が立っており、旧庚申塔が損傷したので個人の方が改新したと刻まれている。
石仏と庚申塔 
 丸山川に架かる丸山橋を渡って進むが、右手に板碑と石仏がある。何と書かれているのか分からなかったが、大分古いもののようだ。
板碑と石仏 
 左横をJRの線路が通り、その向こうは10号線、更にその向こうは海が広がっている。天気がいいので海の色がきれいだ。
 右手に「永願寺」がある。ここは嘉祥元年(848)に江田城主草野大膳が建立した真言密教の霊山だったが、大友宗麟によって天正年間に滅ぼされたという。明治28年に現在地に再建されたと説明されている。
永願寺 
 鳴子川に架かる鳴子橋を渡って進むが、このあたりは一本道。変化に乏しい道が続く。
 その先、小原踏切でJR日豊本線を横断、一旦門川町本町の信号で10号線に接するが、すぐに右斜めへ伸びる旧道を進む。
 右手に八幡宮の赤い鳥居が立っており、その横に六地蔵が立っている。
六地蔵 
 府内川に架かる府内橋を渡り、その先で五十鈴川に架かる五十鈴橋を渡って進む。
 南町南の信号で10号線を横断、最初の角を右折、すぐ先を左折、更に右折、左折を繰り返して山際の道を進む。
このあたりは新興住宅街のようだ。
 前方に商業施設があるところから右折、10号線を横断してその左手にある長迫踏切でJRを横断、道が3本に分岐しているので真ん中の道を進み、すぐ先で左折、山の中へ入っていく。
 庄手川に架かる浜入橋を渡って進み、その先、右手に荒井橋が架かっているところから左折、丸山踏切でJRを横断して10号線に合流、右折して10号線を歩く。
不動寺の信号で右折、不動寺踏切でJRを横断、226号線に沿って進む。
 亀崎川に架かるエゾバミ橋を渡るが、エゾバミとはどういう意味なのだろうか。
 塩見川に架かる塩見橋を渡って進むと右手に「五十猛神社」がある。変わった名前だが、由来は特になかった。後で図書館の方に聞いてみたが、さほど古い神社ではないということだった。
五十猛神社 
 その先も特に見るものもなく、淡々と226号線を歩いていく。とにかく変化に乏しい。豊後(大分県)は山の中ばかりだったが、日向〈宮崎)に入ると平坦な道が続く。
 土々呂踏切でJRを横断、10号線に合流する。土々呂駅は随分前にあったのだが、どうしてこんなところに土々呂という名前の踏切があるのだろうと思った。暇なので色々なことが頭に浮かぶが、集中して考えているわけではないので、後になって考えてみると何も覚えていない。これが無の境地ということかな?
 その先で二股になっているところで10号線と少しだけ離れた左側の道を進んでいくと、ヤシの木が立っているところを進んでいく。南国宮崎を感じるがなぜここだけヤシの木がかたまっているのだろう?とまたどうでもいいことを考える。
ヤシの木 
 その先左手に「住吉神社」がある。ここには安政3年の鳥居が立っていた。
住吉神社 
 ここで10号線を横断するが、ここは信号もなければ横断歩道もないので、車の切れ目を縫って横断する。
平岩愛宕神社 横断するとすぐ前に「平岩愛宕神社」がある。ここは創立年月は不詳だが、安土・桃山時代の文禄年間か、それ以前にこの山の頂に社殿が造営されたということだ。その後、沖を通る船がしばしば転覆するということなどがあって、現在地に移されたと説明されている。
 神社の前を左折して一本道を進み、南日向駅まで来たところで、今日は終了する。
 15時50分に南日向駅に到着。

 この後日向市駅まで引き返し、日向市図書館を訪問する。ここの方に今回調査で大変お世話になったのだが、その際、日向市を通るときは声を掛けてほしいと言われていたので、お礼を兼ねて訪問する。
 お忙しい方なのだが、わざわざ時間を割いていただき夕食を共にする。日向市図書館では松本清張生誕100年記念の催しをやられており、この方も清張のフアンで北九州にある「松本清張記念館」に何度もこられたということだった。私も清張の本はかなり読んでいることもあって話が進み、更にお互い若い頃に石川達三をよく読んだなど作家、作品のことで話が弾み、盃を重ねた。こんな会話は随分久しぶりで、思いがけず楽しいひと時を過ごすことができた。今日はこれといってみるものがない、単調な一日だったので、最後にこんな時間を持つことができてよかった。
日向市図書館 

 本日の歩行時間   4時間12分。
 本日の歩数&距離  30191歩、19.8km。

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