北海道を歩く

2006年09月17日(日) ~2006年10月16日(月)
総歩数:682610歩 総距離:477km

2006年10月11日(水)

伊達紋別錦旅館~長万部温泉丸金旅館

                  歩数:30141歩 移動距離:21.1km
 昨夜の天気予報では今日は雨となっていたが、朝起きると曇り空で降ってはいない。なんとか今日一日降らずにいてくれと願う。四国のときは雨が降ることによって暑さが弱まることから、晴天よりも雨天のほうがいいと思っていたが、今回の北海道は全く逆で、この時期になると雨に濡れると寒い。まぁいずれにしても降らずにすめばそちらのほうがいい。
 宿を出てしばらく歩いていて気がついた。道路や道の端にかなりの水溜りがある。昨夜かなりの雨が降ったのだろう。
 37号線は山の中だ。空は厚い雲に覆われており、今にも降り出しそうだが有難いことに中々降ってこない。今のうちに少しでも先に進んでおきたいと思い先を急ぐ。
 9時20分JR有珠駅の前に来たので一休みする。まだ新しくしゃれた駅舎だがここも無人駅だ。
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 少しすると一人のおばさんがやってきた。9時56分の電車に乗るようだ。やがてなんとなく会話が始まる。やはり朝方に相当激しい雨が降ったそうだ。例年だと今頃は紅葉真っ盛りできれいなのだが、今年は暖かいため紅葉が遅れていて全く色づいていないというような話をする。ここでも歩いているという話をすると驚かれた。北海道は車社会なので移動は車が前提のようで、歩いていると言うと誰もが驚いてしまう。駅の裏側にあるという有珠山は雲で見えなかった。駅を出てすぐにポツポツと雨が降ってきたが、あまり雨足は強くなかった。それが虻田あたりまで来ると一転して激しい降りに変わる。丁度道の駅あぶたの近くまで来ていたので何とかそこにたどり着く。コーヒーでも飲んで雨が止むのを待とうかと思ったが、コーヒーは置いていないという。ウニ丼がおいしいらしいが、さすがにまだそこまで腹は減っていない。どうしようかと思っているうちに雨が少し小降りになってきたので歩き始めることにする。結局今日はその後曇り空のまま一日が終わる。
 歩いていてなんとなくノドがおかしい。風邪かな?と思ったので早めに薬を飲んでおこうと思って薬局に入り、アンプル剤を飲む。この薬局のご主人が私の格好を見て、歩いているのですかと聞いてきた。ここから会話が弾み、ご主人のいとこが私と同じ大学の出身ということがわかったりして面白かった。やがて色々な薬の試供品を頂いて店を出る。
 11時30分JR洞爺駅に到着。この区間は4~5km間隔で駅があるため休憩するには好都合だった。洞爺駅を出て二つのトンネルを越しJR豊浦駅に着く。
 この駅は無人駅なのだが駅舎に食堂がある。ここは社会福祉法人やまと郭公の里が運営をしている。支援課長のKさんがおられて話を聞く。手作りパンや食堂を運営することによって、障害者の雇用の場を設けるという試みを行っており、現在3年目に入っているとのこと。障害者5名がここで働いているが、やはり経営的には厳しく、障害者の給与は月2万円ほどだという。駅に以前あったキオスクの跡を借りてやっており、JRと豊浦町に賃料を支払っているそうだ。朝6時には起きてパンを焼き始めるそうで、なかなか大変だと思うが、障害者の方は皆明るく、楽しそうに仕事に取り組んでおられる姿が印象的だった。駅の清掃や雪かきも彼らがやっており、駅がきれいになったそうだ。そのためそれまでJRの利用者は待合室には寄らずすぐにプラットホームに出ていたが、最近では待合室で過ごす人が多くなり、いい方向に行っているという手ごたえを感じているそうだ。パンの宅配もはじめており、今後は弁当の宅配にも挑戦をしたいと話をされておられた。いずれにしても障害者の自立へ向けてがんばっていただき、ぜひ成果を出して頂きたいと思った。ここでホタテコーンバターラーメンを食べる。550円。安い!空港で同じものを食べると1575円だったのでもう少し高くしてもいいのではないかとつい贔屓目で見てしまう自分がいる。
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 当初の計画では豊浦から礼文まで行き、そこで泊まる予定にしていたのだが、礼文に一軒だけある旅館が廃業してしまったということで長万部まで泊まる宿がない。ここから距離にして約46kmほどありそうで、しかもこの間は礼文華峠と静狩峠という峠を二つ越えていかなければならない道だ。熊が出るという話も聞いたので、豊浦から長万部までJRで移動することにする。
13時05分に豊浦駅に着いたが次は14時43分までない。幸いK課長と色々と話をしていたので待ち時間は苦にはならなかった。
 長万部までの線路は海のすぐ横まで山がせり出しており、トンネルが多い。礼文駅を出た後はほとんどがトンネルという感じだった。ここを歩くとなるとかなりハードだっただろうと思った。
 長万部には15時21分に到着。丸金旅館は駅の裏手にあり、周囲は旅館が立ち並んでおり、長万部温泉街を形成していた。
 明日泊まる八雲町の旅館はどこも一杯で、四軒目でようやく予約をすることができた。

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