シングルおやじの気ままな一人旅

　特別の信仰心を持っているわけでもない私が、ある時突然四国遍路の旅に行ってみようと思い立ちました。 平成3年9月のことです。妻にそのことを告げると気持ちよく賛同してくれ、一緒に歩くことにしました。性格的に会社を休むことができない人間ですので、年に一度ぐらい三連休を利用して歩くことにし、長い年月かけて、ライフワークとしての遍路旅にしようと妻と話をしていました。翌年は行くことができませんでしたが、平成5年・6年と続けて行くことができ、19番立江寺まで到達。
　その後、妻が体調を崩したり、私が時間が取れなかったりして空白の期間が続きましたが、いつかは行こう、歩こうという気持ちだけは切らさず持ち続けていました。
　そうした中、平成15年3月妻が他界してしまいました。 そのため二人で八十八ヶ所を歩き通すという夢は実現できなくなってしまいました。 残念で仕方がありませんでしたが、どうすることもできません。授かった命の期限がきてしまったということなのだと自らの心に言い聞かせ納得するように心がけておりますが無念でなりません。
　それから3年、昨年還暦を迎えた私は仕事からの引退を決意しました。 中小企業経営者として最大のテーマである後継者を育てるということができたことが引き金になりました。引退後まず一番にしたいと思ったことは、歩き残した19番以降を歩き通すことでした。やり残した妻との共同作業。これを達成することが妻への一番の供養と思ったからです。ぜひ行こう。妻も連れて行こう。 こういう思いからこの文の題を、弘法大師と妻、そして私という意味をこめて四国遍路・同行三人としました。
　一度決心するとのめり込む性格の私は昨年の夏からトレーニングとしての歩きをはじめました。 もともと歩くのは好きだったし、車の免許を持っていないこともあって、日常からよく歩いていましたので、歩くということに抵抗はなく、仕事が終わって夜、一時間から一時間半を毎日歩くことにしました。やがてその話を聞いた会社の連中が11月の私の還暦祝いに万歩計付携帯電話をプレゼントしてくれました。 毎日何歩歩いたかが画面上に表示され、メールで結果通知まで来る。便利なものができたものですが、これに完璧にはまってしまった私は月間で一日平均2万歩歩くことを自らのノルマにしました。長年ビジネスの世界で生きてきた人間の性なのでしょうか。それとも私の個人的な性格なのでしょうか。 すぐに具体的目標を、それもハードルを高くした目標を立て、その実現に情熱を燃やすという癖があるのです。一日に1万歩歩くようにしましょうという言葉はよく耳にしますが、そんなありきたりの数字では満足できない。 どうせならその倍に挑戦してみようと思い立って、当初一日2万歩という数字を目標設定しました。ところが出張があったり、用事が入ったりして毎日というのは無理がありました。そこで一ヶ月間で一日平均2万歩という目標にしました。これであれば休日に稼いでおけば、平日不足しても補えます。これはうまくいきました。 以下にその実績を記させていただきます。

2005年11月（20021歩/日）

カウントを始めて4日目から2万歩を目標として設定。最初の四日間は2万歩を意識していなかったため1万歩をわずかに上回る数字しか残されていませんでしたが、その後追い込んで無事達成。

2005年12月（20010歩/日）

年末ということもあり出張や飲み会等があったりして、途中かなり不足気味。 　そのため、吹雪の深夜、目標達成に向けて彷徨したのが祟って体調不良に。　かえってマイナス幅が更に大きくなったりしましたが、でも何とか大晦日の夜に無事目標達成。

2006年1月（22285歩/日）

前2ヶ月の反省から前もって貯金することを心がけ、元旦からせっせと歩きました。その結果、この月は順調に実績を積み上げ無事目標をオーバーしました。

2006年2月（24248歩/日）

この月は快調。1日に35530歩の最高記録を達成。貯金も着々貯まる。

2006年3月（22917歩/日）

3月19日の日曜日に過去最高の41216歩を記録。この月2度目の4万歩超を達成。次の休日は5万歩に挑戦だと思っていましたが、3月23日夜歩いていて段差を踏みはずして足首を捻挫、靭帯を損傷してしまいました。それでもそれまでの貯金があり、月間1日平均2万歩はキープ。

2006年4月（10822歩/日）

4月11日風邪をひき2日間寝込む。捻挫の影響ももろに出てこの月は散々。頭の切り替えは意外に早く、この月は無理をしない月と決め再起を目指す。

2006年5月(20762歩/日）

この月一杯でトレーニングは終了し、6月から四国へ旅立つ。月の前半までは足の故障を考えて抑え気味にしていたが、中盤以降ペースを上げ無事一日平均2万歩をクリアする。