四国遍路・同行三人を歩く 

2006年06月04日(日) ~2006年07月18日(火)
総歩数:1568725歩 総距離:1020km

2006年07月04日(火)

松乃屋~民宿でんこ

歩数:54184歩 移動距離:35.2km
 
 6時50分出発。出る時に昼食をする店があるかどうか聞くと、突合というところにうどん屋があるという。地図で場所を確かめ、距離を計算すると11時ごろに通過しそうな感じだ。少し早めだが、朝食が早いのでそれでもいいかと思って食べ物を何も持たずに出発。
 9時30分ごろに道端の無人の店で桃を売っているところがあった。2個入って100円、安い!但し書きがあり、まだ甘みが少ないと書かれているが、みずみずしい葉っぱがついており、ちぎりたてということがわかる。100円玉を箱の中に入れ、1個をその場で食べる。。まだ少し若いので皮が中々むけない。食べてみると確かに甘みは少なかったが、でも新鮮でおいしい。果物は収穫したときが一番おいしいということがよくわかる。残りの一個はかばんの中に入れておく。
 突合にはほぼ予定通り10時45分に到着。今日のコースは二通りの道がある。一つは651mの農祖峠を越す道と、もう一つは570mの下坂場峠から790mの鶸田(ヒワタ)峠を越す道である。 突合はその分岐点にあるのだ。今回は鶸田峠を通ったが、雨の後ということもあって道はかなりゆるく、特に下りはすべって何度もひっくり返りそうになる。
 うどん屋を探しているところに老人がやってきたので、場所を聞いてみると、今はやっていないようだという答え。「エッ」と思ったがしかたがないので他に食べ物を売る店がないか聞くと、4kmほど行った所にJAの店があるという。ここから一時間ほどの距離だ。昼食には丁度いい時間なのでそこを目指すことにする。歩いていきながらそれでもうどん屋を探したが、確かにそれらしい店はない。そのまま進んで集落のあるところまで来たが、店らしきものは見当たらない。集落の中をウロウロ探すのも面倒だし、時間ももったいないので「まぁいいか」と思って先に進む。今朝宿を出るときに今日の距離を聞くと40kmにはなるでしょうといわれたので、無駄な時間は費やしたくなかったのだ。
 そのうち段々腹がへってきた。6時に食べた後、なにも食べていないので当然ではある。しかたがないので唯一持っている食べ物、あめ玉をしゃぶる。午後1時になっていよいよ腹がへってきたので、朝買った桃を取り出して食べる。すぐ近くに湧き水が出ており、飲むことができると書かれていたのでせめてもの足しに飲む。冷たくておいしかったが、後で聞くとこの水は有名な名水とのことだった。とりあえずこれでなんとか空腹をごまかしてまた歩く。道は山の中。聞こえるのは鶯やカッコーの鳴き声ばかり。出会うのはトカゲやムカデそして蛇ぐらいだ。蛇はいくらでもいたが、幸いにして怖いマムシには出会わなかった。
 一人ひたすらテクテクと歩く。四国ではよくあることだが、とても気持がいい。日常生活の中ではこのような経験はめったにしないので、いいなぁ、好きだなぁと一人つぶやく。四国を一度歩くとはまってしまう人がいるということをよく聞くが、こういう経験をするからなのだろうと思う。

 空腹がピークになりだした午後2時ごろ集落があり、道沿いに店があった。何か食べるものを売っていないかと思って中に入るとカップ麺があるという。お湯を沸かしてあげるといわれたのでそれを食べることにする。棚の中に二段に分かれて数個ずつのカップ麺が置いてある。下の段にUFO焼きそばが3個置いてあり、そのうちの一個を手に取ると、それは賞味期限をすぎているけどいいですか?と言われる。カップ麺で賞味期限切れなんて聞いたことがない。どれくらい前の物なのだろう?知らずに食べるのであればなんともないだろうが、聞いた後ではさすがに食べる気がしない。上の段にきつねうどんがあったのでこれは?と聞くとそれは大丈夫だと言う。期限ぎりぎりかもしれないと思ったが、もうこの際何でもいいやと思い、日付を確かめることもせず沸かしてもらったお湯を注いで食べる。
 店のおばさんと話をしているうちに突合のうどん屋の話になり、今でも営業をしているとのこと。新道ができトンネルになったが、旧道沿いにその店があるという。確かに自分はトンネルを通ったので旧道にある店に気づかず通り過ぎてしまったのだろう。カップ麺一個を食べて店を出る。というか他に食べ物がなかったのでしかたがない。この店にも歩き遍路が時々立ち寄るそうだが、皆同じようなことなのだろう。結局今日の昼食は桃一個とあめ玉4個、カップ麺一個だけだったが、それでも食べられただけでも良しとしなければ。

 やがて久万高原町に入る。ここは山間の谷間にある2004年8月に近隣4町が合併して出来た町だが、とても雰囲気のいい町だ。空気がきれい、人口8000人とこじんまりとした町だが、それでも一応のお店がそろっていて住みやすそうだ。今回の旅の中でも最も気に入った町だった。

 今回の旅で唯一連泊となる民宿でんこに午後5時20分到着する。結局歩いた距離は約35kmだった。

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