四国遍路・同行三人を歩く 

2006年06月04日(日) ~2006年07月18日(火)
総歩数:1568725歩 総距離:1020km

2006年06月23日(金)

佐賀温泉~ネスト・ウエストガーデン土佐

                  歩数:39144歩 移動距離:25.4km

 8時から朝食。今日は距離が短いため朝はゆっくりする。8時20分出発。

 朝起きたときはすごい雨であったが、食事を済ませ出発する頃になると次第に小止みになる。しかし午後になるとまた激しい降りになった。終日雨の中を歩くのは今日がはじめての経験である。晴れれば暑さに参る、雨が降れば涼しいのだが、ポンチョの蒸し暑さに少々うんざり。中々うまくいかないが、まぁ所詮人生なんてそんなものだ。佐賀温泉が山の中にぽつんとあったので宿を出るとすぐに人影もなくなり、又一人で歩く。前にも後ろにも誰も居ない。車だけがハデに水しぶきを上げて通り過ぎていく。少しは歩行者のことを考えてほしいと思うのは身勝手なことなのだろうか。もっともこんな天候の中を歩いているのは私一人なのだが。
 雨の日を歩いてみて困ったことが休憩場所。晴れていれば日陰さえあれば道端に座り込んでも休憩を取ることができるが、雨の日はそうはいかない。雨に濡れずに休憩する場所がなかなか見つからないのだ。しかたがないので今日は喫茶店に入ることにする。もともと一人で喫茶店に入って時間をつぶすということが苦手である。コーヒーが出てくるとガブガブ飲んでしまって後は手持ち無沙汰。間が持たない。結局ソソクサと店を出てしまうというのが私のパターン。基本的にせっかちなのである。だから一人で喫茶店に入るなんてことを日頃はしない。今日は休憩という明白な目的があったので最低10分間は居ようと心に決めて入った。店に入るとボックス席が二箇所、それにカウンターがあって、そこに近所の方と思われる4人のおばさんが店のママさんと一緒になってなにか大きな声で話をしている。かなりの迫力である。カウンターから離れた奥のボックスにそっと座り、コーヒーのホットを頼む。飲み物といえば、これまでは常に冷たいものを飲んでいた。自販機で買う時も小さい缶を買い、その場で全部飲むようにしていた。そうすればいつも冷たくておいしい物を飲むことができるし、残らないので荷物にもならないからである。ところが前日あたりからお腹がゆるくなってきていた。このまま冷たいものを飲み続けると下痢になってしまう恐れが強い。山の中だったら蚊にお尻を刺されるのを我慢さえすればいくらでも用を足す場所はあるのだが、人家のあるところではこれは困る。公衆便所なんてどこにでもあるわけがないのだ。そう思って今日から急遽暖かいものを、それができなければ、少なくとも冷えていない飲み物にするように心がけた。自販機で買うときも大きい物を買い、しばらくバッグにつるしておくと生暖かくなるので、それを飲めばいい。このようにするとお腹はすぐに回復した。そういうことからこの店でもホットを頼んだのだが、結局間が持たず、当初の予定通りなんとか10分間は我慢したが、それが限界で店を出てしまった。性格は直らないものだとつくづく思う。

 今日の区間は遍路道自体が少なく、それにこの雨なので国道56号線を歩くことにする。誰とも会わないのでつい色々なことを考えてしまう。今日は昔の人のこと。今のように道路が整備され、宿や食堂があっても遍路旅は大変なのに、これらが整備されていなかった頃、遍路旅はとてつもなく大変なことだったということがよく理解できる。今も残る遍路道はそのかなりの部分が急な登りや下り。今日のような雨の日なんかは危なくて歩けない。昔は遍路道全てがそうだったわけで、まさに命がけの旅だったのだろう。それに比べればきれいに道路が整備され、食べ物も比較的簡単に入手もでき、冷暖房完備、洗濯機まで備えられた宿が色々なところにある現在は修行というには恵まれすぎた環境なのだが、それでもか弱い現代人にとってはやはり大変なのである。

 ネスト・ウエストガーデン土佐には15時35分に到着。佐賀温泉から7時間15分、39144歩。
 一日に距離にして25km程、4万歩を切ると時間的にも体力的にも随分楽である。今日の宿は西南大規模公園という国有地と県有地の入り混じった公園の中にある。第三セクターの経営かと思ったが、そうではなく個人の経営だそうだ。従業員の感じもいいし、建物もきれいで気持ちがいい。ただ、公共の土地の中に建てられているので制約が色々あって、経営的には難しい面があるようだ。

 今日はあまり歩かなかった割に足の調子がよくない。内出血による赤い斑点がかなり出ている。薬を飲む。何が何でも結願まで持ちこたえさせなければ。

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