四国遍路・同行三人を歩く 

2006年06月04日(日) ~2006年07月18日(火)
総歩数:1568725歩 総距離:1020km

2006年06月10日(土)

26番金剛頂寺~27番神峰寺~ドライブイン27

                  歩数:52143歩 移動距離:33.9km

 7時10分金剛頂寺を出発。急な下り坂の遍路道を約40分下って国道55号にでる。下りたところに道の駅があり、M君は昨夜ここで寝たのだろうと思った。しばらく海に沿った国道を淡々と歩く。やがて国道を離れて山道に入る。今度は上り坂だ。国道は平坦だが遍路道は山を直角に上り下りするのでかなりの急坂が多い。ここも例外ではなく、すぐに汗が噴出してくる。周囲に誰もいないので気合を入れて「オイショ、コラセ、ドッコイセ、ホラヨ」と大きな掛け声をかけて登っていく。と、急に舗装された道にでて軽トラックが一台停まっている。人は乗っていない。この車道を横切ってまた遍路道に入ったところで籠一杯に収穫したびわを持った3人が下ってきた。ニコニコと笑っている。どうも掛け声が聞こえたらしい。一人のおばさんが「これ、どうぞ」といってまだ枝についているビワを10個ばかりくれた。早速かぶりつく。うまい!のどが渇いていたし、何よりもちぎりたて。口いっぱいになんともいえぬ甘さが広がる。水分もたっぷりだ。最高にうまい!高級料亭の高い料理よりもこのビワのほうがはるかにおいしかった。新鮮なビタミンCを補給して元気を取り戻し、足取りも軽く歩く。
ファイトでいこう!新鮮なビワ!
 すっかり上機嫌でなにやらわけのわからない言葉が口をついて出てくる。この後ビワは色々なところで頂いたが、この時のビワが最高だった。おばちゃん、ありがとうございました。

 丁度12時に昼食をとるためドライブインなぎさに入る。ここで店の奥さんから冷凍して凍ったウーロン茶を頂く。ビワといい、凍ったウーロン茶といい、今日はありがたいお接待を続けて受ける。感謝。

 14時20分ドライブイン27に到着。金剛頂寺から7時間10分、35888歩。
 当初の予定では一泊後、翌朝神峰寺に参拝する予定だったが、意外と早く着いたので宿のおばさんに往復するのにどのくらいの時間がかかるか聞くと3時間とのこと。「5時までにお寺に着けばいいのだから大丈夫だよ」「そこでゆっくりしていると気持ちが緩んで歩けなくなるよ」「いくのであれば早く行っておいで」と妙にせきたてるような言葉が返ってくる。これで気持ちが決まった。よし、絶対に3時間以内で行ってやろう!14時45分荷物を宿に置き出かける。神峰寺も山の上にあるが、ここの場合、登って同じ場所に下ってくるので荷物を宿に預けていくことができるのだ。それにしても荷物がないとこんなにも楽なのかと思う。ホイホイと足取りも軽く歩く。ここも車道とは別に遍路道があってこれもかなりの急坂。ただ、雨が降った後で地面が濡れており登りはいいが、下りは滑って危険と思い、遠回りにはなるが車道を下りることにする。神峰寺は平地の多い高知県では一番の高所にあり、一番の難所とのこと。参拝を終え下り始めた頃、雨が降ってくる。まさか雨が降るとは思わなかったので雨具はバッグの中に入れて宿に預けている。対処のしようがないし、どうせ宿に帰ったら全て洗濯をするのだからと思い、濡れるがままにまかせて歩いたがそれほどひどくはならなかった。
帰着17時10分、所要時間2時間半弱。往復で16255歩。
やはり荷物がないと本当に楽だった。おばさんが「あら、早かったわね。」この言葉の響きが耳に心地よい。
 ドライブイン27は国道55号線に面して店があり、宿泊場所は少し奥まったところにある、おばさん曰く、奥別荘だそうだが、かなり年数を経た建物。トイレは一階にあるが、一階の部屋はテレビがない。二階の部屋はテレビはあるがトイレは下の階まで下りてこなければならない。どちらがいいですかと聞かれる。できればトイレもテレビもほしいのだが無いものは仕方がない。せめてテレビはほしいと思い、二階の部屋に宿泊することにする。
夕食は国道に面した店で食べるということでおばさんが軽トラックで迎えに来る。出て行こうとするが部屋に鍵がない、建物の玄関にも鍵がない。「大丈夫なの」と聞くと、「このあたりでは鍵などかけないよ」とのこと。それでも都会暮らしに慣れている私としてはちょっと心配だったので財布や保険証は持って食事にいく。後になってわかったことだが民宿ではこれが当たり前だった。慣れると部屋に鍵がかからなくても、そこに荷物を全ておいていても気にならなくなってしまった。「奥別荘」から店まで軽トラックの荷台に乗って移動したが、おばさんの運転の荒っぽいこと。短い距離だったが振り落とされないように必死になってしがみつく。
 今日の泊り客は札幌から来られたという63歳の男性の方と二人。この方は6月一杯で回ってしまうつもりのため、歩きとバスを併用しているとのこと。夕食時色々と話が弾む。やはり一人で食べるよりもこうして話をしながら食べたほうがおいしい。

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