四国遍路・同行三人を歩く 

2006年06月04日(日) ~2006年07月18日(火)
総歩数:1568725歩 総距離:1020km

2006年07月07日(金)

ビジネスホテルさくら~52番太山寺~53番円明寺~太田屋ビジネスホテル

                  歩数:34591歩 移動距離:22.5km

 昨夜、今日宿泊をしたい場所にある宿に電話を入れるが、二軒とも長期滞在の客で満室と断られる。これまで遍路としてはシーズンオフということもあって、どこも空いており容易に宿泊先を見つけることができたのでちょっと驚く。明日歩きたい距離のところにはこの二軒しか宿の情報がなかった為少々困る。二軒目で断られた時にどこか知っている宿を紹介してほしいと言うと太田屋を紹介してもらった。早速電話をすると一部屋だけ空いているということだったのでお願いをする。このため当初の予定より随分手前での宿泊となる。距離にして22km程。かなり短いので今日はのんびりリラックス日と位置づけることにする。そのため朝は8時10分に出発する。

 丁度松山の市街地近くの通勤時間帯だったため、皆急ぎ足で歩いている。ついこの間まで自分もあの人たちと同じような毎日を過ごしていたのだなと思う。色々なことがあったビジネスマン人生だったが、今は無事引退することができ、こうして遍路旅をすることができるようになった。ありがたいことだと感謝の気持ちがわいてくる。それにしてもこうして出勤する皆さんを眺めていると本当に忙しそうだ。これでは挨拶もままならない。
 しばらく行くとやがて水田地帯に入り、道行く人もめっきり少なくなってくる。こうなると道をすれ違う時にお互い挨拶を交し合う。やはり挨拶を交わすと気持ちがいい。なにか現代人が抱えている問題点がわかるような気がする。

 10時35分52番太山寺に到着。14180歩。
 太山寺は愛媛県内の木造建築では最大ということだが、山門から本堂まで300mもある山の中の大きなお寺である。参拝をしているうちに雨が降り出したので少し長く休んでいると小降りになったので11時10分出発する。

 11時45分53番円明寺に着く。43分、4428歩。
 52番からすぐ近くだ。52番を出るときにすれ違った団体が追いつき追い越していく。今は道が整備されており、全てのお寺へバスで行くことができるので高齢の方も参拝しやすくなっている。遍路が盛んになる大きな要素の一つだろう。団体客は添乗員が皆さんが参拝をしている間に納経を済ませてしまうので、お経を上げるとすぐ次のお寺に向かって出発していく。一つでも多くのお寺を効率よく回りたいのだろう。お経は皆さん声をそろえて唱えられる。一人でお経を唱えていると、どうしても引きずられてしまうのでこれはちょっと苦手である。

 お寺のすぐ裏にあるお店で昼食。焼きそばを食べる。テレビで横田めぐみさんの夫と言われる韓国の人とキムヘギョンさんの記者会見をやっている。店のおばさんとそのことについて少し話をする。
 12時に食事を終わり太田屋へ向けて歩く。途中で車が寄ってきて「よろしければお乗りになりませんか」と小さな子供を乗せた若いママさんが声をかけてくれたが、ご好意のみありがたく受けさせていただく。今日はノンビリムード、53番を出た後は平地ばかりなので適当に休憩を取りながらゆっくりした気持ちで歩く。こんな歩きもいいものだ。

 15時15分太田屋に到着。3時間15分、15983歩.。45名の団体客が泊まっており、スケジュールは団体優先。夕食は団体が18時30分からなので17時30分からにしてほしい、風呂、洗濯は団体客が帰ってくる前に早めに済ませてください。朝食は団体客が6時30分からなので7時以降にしてください、といった調子である。これまでは遍路のシーズンオフということで宿泊客が私一人ということが多く好き勝手にしていたのだが、遍路のシーズン中はこういう感じになるのだろうと思った。宿の人に聞くと団体というのは太陽石油菊間製油所の何年かに一度の大規模点検があっており、2800人がかかわっているそうだ。このため今治からこのあたりまで、宿という宿は満室状態が続いているそうだ。

 風呂に入り体重計に乗ってみる。67kgだ。ほぼどこの宿で計ってもこの数字が出る。遍路に出る前は大体70kg~72kgだったので3~5kgの減少ということになる。思ったほどには減っていない。日ごろから身体を絞り込んでいる成果がこういう時に実証されるのだと何事も楽観的に、自分に都合がいいように考える傾向がある私は思う。

 今日は時折小雨がパラついていたが、ほぼ終日薄曇。蒸し暑かったが、それでもまだすごしやすかったと思う。梅雨が明け、カンカン照りになると昼間は満足に歩けないのではないかと思う。だからなんとか梅雨明けまでに今回の旅を終わらせたいと思っているのである。

 足は今日も大丈夫だ。このまま回復してほしい。

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