四国遍路・同行三人を歩く 

2006年06月04日(日) ~2006年07月18日(火)
総歩数:1568725歩 総距離:1020km

2006年06月19日(月)

福岡空港~高知竜馬空港~32番禅師峰寺~33番雪蹊寺~関之屋

歩数:27953歩 移動距離:18.1km

一週間の休養で足の調子が止血剤を飲んでおけばいいという状態に回復したので遍路を再開することにする。医者には賛成できないと言われたが、自己診断で大丈夫と結論をだす。何が何でもやり遂げるぞ、という気持ちが強い。結果としてこの自己診断のほうが正しかった。 
  9時20分福岡空港を出発し、高知竜馬空港へ向かう。前回アクセスのいいところで終わっていたので再開するには好都合だった。今回は一度歩いてみて、ある程度要領がわかったので懐中電灯、防水スプレーなどを除けて荷物を更に減らして負担を少なくする。
 空から見る四国はやはり山が多い。これからの歩きも山の中を歩くことが多いのだろう。これまではそれほど関心のなかった四国だが、こうして歩くことによって急に親近感を感じるようになってきている。さてもう一度挑戦だ!と心の中でつぶやく。高知へは定刻より15分早く10時15分に到着。搭乗率が50%ほどだったのでその分早く着いたのかもしれない。福岡へ帰るときもそうだったが乗客が少ない。要らぬことだが、これでペイするのだろうかとつい心配になる。長年の習性ですぐに損益のことを考えてしまう自分がいる。あ~、もうそんな世界からは卒業だ!今は遍路に集中だ!市内連絡バスに乗り、前回リタイアしたホテルのすぐ前の古川というバス停まで行く。11時着。まだ昼食には早かったが、かといってこの先昼食を取る場所があるかどうか不明だったため、コンビニで弁当を買い32番禅師峰寺へ向けて歩く。
 今日は快晴、晴れるとさすがに暑い。夜のニュースで今日の四国は32度を記録、今年一番の暑さだったと言っていた。今日は平地、車道を歩く。木陰が全くなく、日差しは容赦なく降り注いでくる。少し歩いただけで汗びっしょりになるが、しばらく九州で休養をとったため身体は元気一杯だ。結願目指して歩く。
 スタートが遍路道から外れていたが、特にトラブルことなく遍路道に合流する。これまでも何度か経験したことだが、一度間違うと変だなと思っても道を聞く人がだれもいないという場合が多い。そうなると軌道修正が大変なのだが、今日はうまくいく。丁度12時になったころ池に突き当たり、ベンチがあったのでそこで昼食を食べ12時20分出発。
12時50分禅師峰寺に到着。古川から9011歩だった。

 13時10分出発し雪蹊寺へ向かう。地図を見ると浦戸大橋を渡る道とフェリーに乗る道の二方向があるが、歩き遍路の場合、渡し舟には乗っていいということのようなのでフェリーに乗るほうを選ぶ。フェリー乗り場へ向かう道を歩いていくと、庭に遍路のための休憩所を作っている家があった。これまでも何軒か見たことがあったが、今日は入って休ませてもらうことにする。ベンチに座って休んでいると家の人が出てきて、いろいろと話をする。5月の頃は一日に十数人の歩き遍路が通るが、今はいてもせいぜい2~3人とのこと。皆暑いこの時期を敬遠するのだろう。見るとフェリーの時刻表が張ってある。昼間は一時間に一本、毎時10分発だ。この時間に間に合うようにお礼を言って出発する。四国は遍路、特に歩き遍路に親切だ。
 フェリーは高知県営でなんと無料。3分ほどで対岸に着く。一日に20往復しており110人乗りの立派なフェリーだ。通学、通勤時は多くの人が利用するのかもしれないが、15時10分の便は乗客6名だった。乗員3名。ここでもまたいらぬ心配の虫が頭をもたげてくる。
 上を見上げると高いところに大きな橋がかかっている。これが浦戸大橋なのだろう。車が数多く通っている。いずれこのフェリーもなくなるのだろうか?そう考えるとフェリーを選択してよかったと思う。
 今夜の泊まり旅館関之家は雪蹊寺へ行く道の途中にあるため、荷物を置かせてもらって、それから参拝をしようと思ったが、玄関は鍵が閉まっていて誰もいない様子。仕方がないのでそのまま雪蹊寺へ行く。
 雪蹊寺15時35分着。禅師峰寺から2時間25分、12633歩。

 参拝を済ませ、16時過ぎに再び関之家に戻るが、依然鍵がかかっていてだれもいない。しかたがないので電話をすると、家の中で電話がなっている音が聞こえる。やがて電話は転送されたらしく家の電話の音はしなくなった。そのうちご主人と思われる人の声で「もしもし」。着いた旨伝えるとすぐに行きますといって電話を切った。それから間もなくしてやってきたが、当然なんの準備もできていない。不安になって夕食はどうなるのか、もしないのであれば近所にちょっとしたお店があったのでそちらで食べてきますが、というと近所にある食堂はまずいのでおいしい幕の内をとりますとのこと。風呂もそれから沸かしていた様子でしばらくして準備ができたのでどうぞと連絡がある。風呂から上がると夕食がきたといって持ってきたのがホカ弁のようなプラスチックの入れ物に入った弁当だった。今夜の私のように泊り客が一人だけの場合はいつもそうしているようだ。歩いていると夕食は大きな楽しみの一つなのだが(この気持ちは食べることに貪欲な私だけかもしれないが)ちょっと残念だった。
 遍路旅では夜、宿の方から色々な話をお聞きするのも大きな楽しみなのだが、今夜はそれもない。でもまぁ、雨露は立派にしのげたのだから、それで良しとしなけりゃ。
 8時には寝て、翌朝6時15分電話で起こされるまでぐっすり寝込んでいた。よく寝た。

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