四国遍路・同行三人を歩く 

2006年06月04日(日) ~2006年07月18日(火)
総歩数:1568725歩 総距離:1020km

2006年06月06日(火)

山茶花~23番薬王寺~薬王寺参篭所

                  歩数:38053歩 移動距離:24.7km

 7時15分山茶花を出発。薄曇で少し肌寒さを感じるが歩くには涼しいほうが助かる。地図で見ると23番へは山の中を通る道と海辺を通る道がある。山の中の道のほうが距離的には短いようだが、昨日ざんざん山の中を歩いたので、今日は海辺の道を歩くことにする。ところが途中までは山の中ばかり。四国は山が多いと改めて思う。一時間ほど歩いて休憩を取っていると、学生さんが歩いてきた。京都に住んでいて、大阪の大学に通っているとのこと。一番から歩き始めて今日は7日目だそうだ。体調を聞くと途中二日ばかり足が痛くて午前中で歩くのをやめたことがあるそうだが、今は随分よくなったとのこと。彼(M君)とはこの後何度も会い、室戸岬には一緒に到着することになる。色々と悩みを持っているようだったがまじめな感じのいい学生さんだった。
 10時半ごろにようやく海辺に出る。田井の浜というJRの無人駅があり、その横に休憩所があってベンチがおいてある。駅の前はすぐに砂浜で、その先はきれいな海。波は穏やかでザブンザブンと押し寄せてくる。このように海に面した駅はあまり見たことがない。気持ちがいいのでベンチに寝転がり波の音を聞いているといつの間にか30分ほど眠ってしまっていた。なんというシアワセなことか。いつまでもこうしていたいと思う反面、これが日常になってしまうとおそらく退屈してしまって身が持たないだろうなとも思う。いい加減なものだ。

 木岐という町に入る。食料品を売る店があったのでアイスクリームを買い、歩きながら食べる。チラッと食事のことが頭をよぎるがまだ11時ちょっと過ぎた頃でもあり、なんとなくそのまま進む。しばらく行くと明らかに町外れの感じが出てきた。ここでアリャしまった!と気がついた。食べ物を売っている店がないのである。先ほどの店まで戻るかと思ったが、折角ここまで歩いてきて後戻りをするのはイヤだ。この気持ちはこれから後もよく出てくるのだが、折角歩いてきた道を後戻りするのはそれまでの苦労が無駄になるようで本当にイヤだった。
 やがて道は山道に入っていく。もうこれから先、食べ物を売る店があるはずがない。こうなれば開き直るしかない。ただ前に進むしかない。気持ちは強がっても現実に腹が減ってきた。飢餓状態に弱い私はとにかくなんでもいいから空腹を満たす物をと思って、疲労回復を考えて持っていた飴玉を3個一度に口に入れる。これで何とか食べ物にありつくまでもたせるしかない。こんな私は食糧事情の悪いところではとても生活していけないだろうとつくづく思う。
 山を下ると自販機が置いてあって、その横のベンチに先ほど会ったM君がいた。私が昼寝をしている間に追い越して行ったようだ。なんとなくウサギと亀の話を思い浮かべる。そこからは彼と二人で色々と話をしながら歩く。

 やがて日和佐、薬王寺のすぐ近くまでくる。14時15分お好み焼き屋があったので二人で入る。ようやく昼食にありつけたのだ。この店のおばさんが子供の頃、先生と太龍寺に登ったところ激しい雨になり下山できずに一泊の予定が二泊になって食料がなくなって困った話を聞いたり、弘法大師が日和佐に滞在をしていてあまりに居心地がよかったのでつい長居をしてしまい、あわてて次へ一気に走って行ったため、室戸岬という遠いところまでいってしまった。そのために23番と24番の間が開いているなどという話に花が咲く。

 15時30分、今日の宿である薬王寺参篭所に入る。
 22番から8時間15分、38053歩
 ここは薬王寺のすぐ前にあり、お寺が経営をしているような感じだった。従業員の方は親切にしてくれ、色々と便宜を図ってくれた。宿坊は一階が売店になっており、二階が食堂と宿舎、三階は全て宿舎という大きな建物であるが、今夜の泊り客は私一人とのこと。かなり大きな風呂も私一人のためにだけお湯を入れてくれ、申し訳ないような待遇である。
 お遍路のシーズンは団体客で一杯になるのだろう。宿代は浴衣、タオル等全て借りるということにしたので少しお高くなりますといわれたがそれでも6830円だった。M君は野宿をしており、今日は近くの道の駅で寝るということなのでここで分かれる。ss007
 昨日の失敗を繰り返さないように今日は地図を手に持って常に確認をしながら歩いた。そのため迷うことはなかったが、片手に杖、もう一方に地図を持つというのはどうにも面倒くさい。それで宿で地図をコピーしていただく。そうすれば、その日歩く場所の地図の紙だけを手に持ってあるいはポケットにいれておけばいいわけで全く負担にならない。これは我ながらグットアイデア、以降とても効果的だった。もっともそれでも道にはよく迷ったが。。

 3日目に入り足が痛くなってきた。左足には汗疹のような斑点ができている。これがその後ひどくなり一旦帰宅しなければならない原因になるがこの時はまだそれほどとは思っていなかった。

旅の地図

記録

プロフィール

かっちゃん
歩人
かっちゃん