四国遍路・同行三人を歩く 

2006年06月04日(日) ~2006年07月18日(火)
総歩数:1568725歩 総距離:1020km

2006年07月16日(日)

川久米旅館~79番高照院~80番国分寺~81番白峰寺~82番根香寺~83番一宮寺~天然温泉きらら

                  歩数:56568歩 移動距離:36.8km

 6時30分出発。昨日の天気予報では今日は曇りのち雨だったが、外に出ると相変わらずのカンカン照り。うんざりだが朝の涼しいうちに距離を稼ぐしかないと思い急ぐ。昨日えびすや旅館のご主人と話をして、歩く順番を変えたので今夜の宿はまだ確保できていない。とにかくいけるところまで行ってみようと思う。

 7時10分、79番高照院に到着。川久保旅館から40分、4269歩.。
まだだれも参拝者がいない静かな境内で参拝を済ませ、7時25分に出発。
 綾川沿いの道を歩くが今日も暑さがきつい。はずれた天気予報を恨めしく思う。

 9時02分国分寺到着。高照院から1時間52分、10012歩。
 えびすや旅館は国分寺のすぐ横にあったので、昨夜のお礼を言いに訪問、奥さんがおられたのでアドバイス通りに歩くことにした旨報告をする。「わざわざご丁寧に、ありがとうございます」と逆にお礼を言われ恐縮する。
 9時30分えびすやを出発。約30分ほどで山道に入る。遍路ころがしといわれている坂道だが、きれいに整備されていて草もほぼ刈られている。しかも山道なので木陰が多い。79番から直接81番へ向かう道は車道ということだったので、両者を比較すると坂道を登るきつさはあるものの、こちらの道のほうが身体の負担が少なくよかったと思う。途中マムシの巣があるらしく「マムシに注意」の看板が出ていたので足元に気をつけながら歩く。
 ほぼ直線で登ると一本松という所にくる。そのまま登ると十九丁という場所に行き当たり、そこから左へ行くと81番、右に行くと82番への分かれ道になる。81番と82番のほぼ中間点の場所だ。私は十九丁まで行かず、一本松からしばらく車道を通り、再び遍路道に入る道を選ぶ。
 11時23分81番白峰寺に到着。えびすやから1時間53分、11486歩。

 白峰寺を打って今来た道を戻り82番根香寺へ向かう。この間全て林の中の山道なので日差しはなく、枯葉の積もったやわらかい土の上を歩く。とても楽である。標高は一番高いところで440mほど。山を縦走する形になる。えびすやのご主人が言われたように81番から82番へ行き、また途中まで戻って80番へ降りていくという道は無駄が多いように感じた。歩いていて仙台からきたという28歳の青年と会いしばらく一緒に歩く。
 昼食は「みち草」で焼き飯を食べる。仙台の青年は食べないと言ったのでここで一旦別れる。

 13時48分82番根香寺に到着。81番から1時間45分、9221歩。
 思ったより早く着いたし、山の中を歩いたので疲れが少なかったため、83番まで足を伸ばすことにする。ただ、17時までに着くのは時間的にちょっと厳しいかもしれないと思ったので、参拝できない時のことを考えて83番の近くにある天然温泉きららを予約する。
 82番からは車道を下ったが、車が少なくまた雲が広がってきた関係もあって比較的楽に歩くことができた。途中見晴らしがいいところがあったので写真を撮る。
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 仙台の青年とはまた時々一緒になったり、分かれたりしながら歩く。途中から彼はどうしても今日中に83番を打ちたいと言って急ぎ足になり、お寺近くまで来ると走り出してしまった。
 私がお寺に着いたのは17時10分。82番から2時間50分、19995歩。
 彼がいたので間に合ったか聞くと間に合わなかったそうで、納経所の窓がすでに閉まっていたのであきらめたと言う。折角ここまでがんばってきて、わずか10分遅れただけなのでなんとかならないものか交渉してみることにする。ベルを押すが返事はない。横に回ってドアを開けようとしたが鍵かかかっているらしく開かない。やはりだめかなと思っている時におばさんがやってきた。この方は何か用事があったらしく、それは5時半まで受け付けてもらえると確認をしてこられたようだった。二人でもう一度頼んでみようということになり、納経所の周りをうろついていると中から女性が出てきた。この日の勤務を終えたという感じだった。そこでなんとか納経をお願いできないかと申し込んでみると、その後ろにおられたこのお寺の奥さんらしき方が窓を明けてくれた。「私達は365日、一日の休みもなくやっているのよ」と言いながら、それでも若者と私、二人の納経帳に筆を走らせてくれた。たしかにこんな規則破りのあつかましい遍路がいると迷惑だろうなと反省。でも明日の朝のことを考えるとこれでかなりの時間の節約になり有難かった。納経が終わって庭を歩いていると、あのカナダ人がいるではないか。彼は一時間ほど前に着いたそうだ。久しぶりの再会を喜ぶ。彼とは歩くペースが驚くほどに似ているようだ。今夜は野宿をするそうで近くの川で水浴びをするのだと言っていた。二人で話をいていると先ほど協力をしてくれたおばちゃんがやってきて、お接待として二人にそれぞれ千円ずつをくれる。恐縮していただき、先ほどの協力に改めてお礼を言う。この方は遍路客の添乗をやっておられた経験があると言っていた。

 今夜の宿である天然温泉きららは83番から近くにあり、まだ新しい感じの建物で気持ちがいい。宿泊場所と温泉、食事をする場所がちょっと離れている点と遍路旅の楽しみの一つである宿のご主人や泊り客との会話がないが、それらを差し引いても部屋はきれいだしいいところだと思う。
 夜、昨夜お世話になった川久米旅館に電話をし、今後歩く方たちの参考になればと思って、79番から順番に歩いてよかったという今日歩いた感想を伝えておく。

 今日は山道が中心で日陰があり、土の上を歩いたということで疲労が比較的少ない。足の内出血も薬を飲まなくてももう大丈夫のようだ。明後日には何とか終わりそうだという感じをようやく持つことができるようになった。もう一踏ん張りだ。

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