四国遍路・同行三人を歩く 

2006年06月04日(日) ~2006年07月18日(火)
総歩数:1568725歩 総距離:1020km

2006年07月15日(土)

山本屋本店~76番金倉寺~77番道隆寺~78番郷照寺~川久米旅館

                  歩数:28993歩 移動距離:18.8km

 7時15分に山本屋を出発し、善通寺の太師堂で納札を行う。地下にあるという戒壇めぐりはせず76番へ向かう。

 8時14分、76番金倉寺に到着。山本屋から59分、6365歩.。

 今日も朝からカンカン照り、猛烈な暑さに早くも悲鳴を上げたい気分だ。今日の予定を思い切り短くしたのは大正解だった。

 9時38分、77番道隆寺到着。76番から1時間2分、5669歩。

 歩き始めて2時間、途中日陰を見つけてチョコチョコと休憩をしながらきたが、このお寺でかなり長い休憩を取る。
 今朝、山本屋の大おかみさんが言っていた、遍路は夏や冬といった条件が厳しければ厳しいほど御利益があるという言葉を思い出す。
 今の自分にとって御利益とは何なのだろう?これまで数多くのお寺に参拝をしてきて思うのだが、今の自分には願うことがない。会社の更なる発展を願うのは当然のことなのだが、もう引退をしてしまったからにはその具体的な努力は後継者にゆだねるしかない。妻も亡くなっているので家庭内のことも何もない。この命、いつ失っても何も思い残すこと、やり残したことはないのである。なんら思い煩うことのない現状はある面理想ではあるが、願いがないということは目標がないということに通じるわけであり、そういう人生も一時期はいいかもしれないが、今後ずっとというわけにはいかないだろう。
「生きるために働く必要がなくなった時、人はその人生を考え直さなければならない」とはケインズの言葉らしいが、今の自分はまさにその状況にあるのだろう。
 遍路できつい坂道があった時、私はよく歩数を数えた。きつさのあまりわずかしか歩を進めることができなくても、その一歩がたとえ10cmしか進めなくても、それでも一歩歩けば10cm目標に近づく。努力を続けてさえいれば一歩が十歩になり百歩になって、やがて目標とするお寺に到着するのだ。このように目標さえ明確であれば努力は具体的になり、その努力を続けていればいずれ成果を手に入れることができる。
 今後の自らの人生においてその目標とするところを何にするのか、これからじっくりと考えてみる必要がある。そんなことを考えながらたっぷり休憩を取った。

 10時21分出発。土器川の岸辺にあるホテルで昼食。エビフライにハンバーグ定食。これだけくたびれていても、何故か食欲は落ちない。我ながら不思議である。したがってこれまでは体重も3~4kgほどしか落ちていなかった。ただこの3日間の暑さはかなり堪えており、更に3kgほどやせてしまったようだ。やはり暑さには弱い。

 12時47分、78番郷照寺に到着。77番から2時間26分、11148歩。
 このお寺は平地にあったが、少し高台になっておりとても涼しい風が吹き渡っていた。つかの間ほっとする。
 13時07分出発し14時05分今日の宿である川久米旅館に早々と到着する。
 こんなに早く旅館に着き、距離も少なかったにもかかわらず、クタクタになった一日だった。暑さに気持ち自体が負けていた一日だった。
 宿のご夫婦はとても親切な方で、洗ったカバンの干し場所を何回も変えてくれたり、明日の道程に関しても相談に乗ってくれたりして、本当に親身にお世話をしていただいた。有難かった。

 明日の工程では79番から直接81番へ向かい、82番を打って80番へ引き返して泊まるという方法が多いと聞いていたので、80番のえびすや旅館に電話を入れて予約をすると、それよりも79番から80番へきて山を登り、81番から82番へ回って83番へ向かう方向に下りたほうが次の日のことを考えるといいと思う。遍路ころがしと言われる上りも草が刈られており、何よりも木陰があるし、土の上を歩くので身体に楽である。79番から81番へいく場合車道を通るので逆にきついと思われるというアドバイスを受ける。アドバイスに従ってえびすや旅館に泊まることをキャンセルする。
 翌日、このアドバイスがとても的確であったことに感謝することになる。

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