シングルおやじの気ままな一人旅

　　　　　　　　　　　　　　　　　　歩数：17559歩 移動距離：11.4km

　お寺さんに早めにおいでいただいてお経をあげて頂き、病院によって止血剤をもらう。まだ歩いている旨医者にいうと、だいぶよくなっているがあまり無理はしないようにと念を押される。

　小倉を9時40分発ののぞみで出発。伊予大洲駅に14時54分着。
　大洲駅の前の停車駅が内子駅。この駅で降りると今日の宿泊予定の松乃家まですぐ近くなのだが、前回帰る時に大洲駅から乗ったので敢えて大洲駅まで行く。
　この頃からそれまで曇り空だったのが段々と晴れてきて日が差し始めてくる。見るからに暑そう。曇り空のほうが歩くには都合がいいのになぁと思ってもどうにもならない。大洲駅に着くと今ＪＲで来た道を引き返す。前日旅館に予約を入れた時、大洲駅からの距離を確認すると約10ｋmあるとのこと。手元の資料で計算すると6km程になるので、そのつもりでいたのだが資料が違っているそうだ。
　途中、弘法大師がこの地まで来られた時、宿を求めることができず、この橋の下で寝たという十夜ケ橋を通る。遍路をしている時は橋の上では杖をつかないということは、橋の下に寝ている大師様を起こしてはいけないということから来たという。
　更にしばらく行くと前を歩いていた遍路さんに追いつく。「こんちは」と声をかけると「オウ」という返事。「今夜の宿は決めているの」と聞いてくるので、昨日のうちに予約をしたことを伝えると、「昨日のうちに！」と驚いていた。彼はまだ決めていないとのこと。「今は遍路が少ないから大丈夫ですよ」といい、「昨夜はどこに泊まったのですか」と聞くと「う～ん」としばらく考えてから「よく覚えとらん」。「泊りが続いていると頭が混乱してしてしまいますよね。」と返す。それ以降はあまり会話は続かず、私が先に立って歩くうち、いつの間にか彼の姿は見えなくなってしまった。

　松乃家には17時45分に到着。大洲駅から2時間51分かかっている。距離にして11kmほど。この距離を特急ではわずか10分で行ってしまうのだ。文明のすごさを実感する。
　松乃家は老舗の旅館らしく造りも立派だ。若おかみもチャキチャキしている。