四国遍路・同行三人を歩く 

2006年06月04日(日) ~2006年07月18日(火)
総歩数:1568725歩 総距離:1020km

2006年06月20日(火)

関之家~34番種間寺~35番清滝寺~汐浜荘~36番青龍寺~汐浜荘

                  歩数:50412歩 移動距離:32.7km

 関之家を7時に出発。雪蹊寺は昨日参拝したので頭だけ下げて通り過ぎる。

 34番種間寺へ8時30分着 雪蹊寺から1時間30分、9995歩。
種間寺では団体客が参拝をされていたので、終わるまで待ってその後に参拝をする。お寺を出ようとすると、お寺の奥さんらしき方が出てこられ、道がちょっとわかりにくく間違う方が多いので、と言われ地図を見て詳しく説明をしてくれる。親切がうれしい。お菓子とティッシュのお接待をいただく。9時出発。
 お寺で教えてもらったとおりに歩いていくと、やがて仁淀大橋に差し掛かる。仁淀川にかかる大きな橋である。橋を渡りしばらくこの川に沿って歩く。大きな川で水もきれいだ。総じて四国の川の水はきれいだ。最後の清流として四万十川が有名だが、それ以外の川も清流と呼ぶにふさわしい流れが多い。
 35番へ向かう途中の交差点で女性から「お遍路をされているのですか。次はどちらへ?」と聞かれたので「清滝寺にお詣りさせていただきます」とお答えすると、「それではこれを清滝さんにお賽銭として上げていただけますか」と言われて千円札をだされた。「お預かりさせていただきます。間違いなくお賽銭として上げさせていただきます」と答えてお預かりする。四国ならではの出来事だと思う。

 35番清滝寺へ11時20分到着。種間寺から2時間20分、13558歩。
 お預かりをしたお賽銭に自分の分を加えて賽銭箱に入れ、お参りしている中でその報告をする。
 11時55分出発し、34番から歩いてきた道を少し戻って36番へ向かう。昼食は土佐ショッピングセンターの2階の食堂で食べる。汗でびっしょり濡れたシャツに冷房が冷たく感じる。食事を終わって今夜の宿である汐浜荘へと急ぐ。途中で野宿をしながら歩いていると思われる方と会うが風呂に入っていないらしく、白衣は色が変色しており、近くを通るだけで強烈な匂いが鼻をつく。野宿で歩くというのは大変な修行だと思うし、特にこの時期の野宿は蚊が多いので大変だとは思う。ただ日中すごい汗をかくので、洗濯や風呂に入るということは何らかの工夫をしてでもやらなければならないのではないかと思った。とにかく強烈な匂いには閉口した。

 15時汐浜荘に到着。清滝寺から3時間5分、16733歩。.

 玄関に入るとおばさんが36番は済ませたのかと聞く。明日36番を打ってその後横浪スカイラインを回って行くつもりだと言うと、そちらの道はアップダウンがきつく、人家もほとんどない、最近の遍路地図には遍路道として載っているが、本来の遍路道は打ち返していく道でこちらのほうが楽ですよ、と教えられる。もしそうするのであれば今から36番へ行ってこられたらどうですか、3時間ほどで往復できますよと言う。何も知らなかった私はこの助言を聞き、すぐにおばさんの意見に従うことにする。
 15時20分汐浜荘を出て宇和大橋を渡る。この大橋は昭和48年にできた橋で、それまでは船で渡っており、青龍寺を過ぎるとあとは山だけで何もなかったとのこと。大橋を建設するのと同時にスカイラインも完成し、当初はホテルが建設されたり、観光客が来たりしていたが、今ではホテルも閉鎖され、車の通行も少ないとのこと。後日スカイラインを歩いたという人と会ったが、やはり車もほとんど通っておらず、何もなかったと言われていた。わが国の公共事業の典型を見るような思いがした。こうした結果の反省はどこまでなされ、次の計画にどこまで生かされているのだろうか?

 16時5分 36番青龍寺着 汐浜荘から45分、5084歩、35番清滝寺から3時間50分、21817歩。

 36番は高い階段があり、疲れた身体にはかなり堪える高さだ。フーフー言いながら登って参拝を終え、納経所に戻ってきてそこの方と話をする。とても感じのいい方だ。納経所の方にも色々な方がおられる。事務的でつっけんどんな態度をとられるよりも、今日のように気持ちよく接していただくとこちらもうれしい。「ご苦労様です」という一言が疲れた身体にどんなに心地よく響くか身をもって体験する。

 17時5分 汐浜荘に帰着。36番往復で1時間45分、10128歩。

 宿に着くとおばさんが「あら、早かったわね。あなた足が強いね。」と言われ、足の強さの話になる。以前汐浜荘に泊まった客が次の日一日で岩本寺まで歩いた人がいたという。足を痛めるからやめておきなさいというおばさんの言葉を振り切って行ったその客から午後7時ごろ無事着いたという電話が入ったとのこと。一日で55kmを歩いたのだ。すごい人がいるものだと感心する。
 汐浜荘のおばさんはとても気さくでいい方である。夕食後しばらく話込む。その中で荷物の重さの話になる。私の荷物の軽さをみて何回も遍路を重ねたベテランと思ったそうだ。初めて遍路をする人はどうしても荷物が多くなり、その重さに耐えかねて途中で荷物を送り返す人が多いらしい。また野宿の人は当然荷物が多くなる。昨日泊まった人は野宿と民宿を交互に繰り返していて、荷物は12kg以上はあったのではないか、それだけ重いと一日に歩ける距離は少なくなるし、足を痛める原因にもなりかねない。あなたも先はまだ長いのだから無理をして足を痛めることのないようにしなさいと注意をしてくれた。また歩いたことを本にして出版し、その本を贈ってきてくれる人もかなりおられるということだ。これは他の民宿でも聞いたり、実物を見せてもらったりしたのだが、四国を歩いた様子を本にして自費出版される方がかなりおられるようだ。歩き通した感動を本にして書き残しておきたいという気持ちはよく理解できる。現に私もこうしてホームページをたちあげようとしているのだから。
 宿でのこうした会話はとても楽しいものだ。おばさんは洗濯もしてくれた。感謝。今日も泊り客は私一人だ。

 今日の歩きは5万歩を越えた。足を見ると赤い斑点が出ている。出血しているようだ。薬を飲む。これ以上ひどくならないことを祈る。

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